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漢方医学の基本! 気・血・水を知ろう!!
西洋医学と漢方医学と中医学
「漢方医学=中国で発達した医学」と思っている方が多いですが、漢方医学は日本で発展した医学です。
漢方医学の起源は確かに古代中国ですが、室町時代以降に古代中国から持ち帰られた中医学が日本独自に発展していきました。
しかし、明治時代には西洋医学中心の新しい医制改革が始まり、漢方医学は衰退していきました。
その中でも民間人レベルで漢方医学は使用されつづけており、現代においても医療用漢方製剤が薬価基準に収載されて使用されつづけています。
漢方医学は、人間を一つとして(場合によっては環境も含めて丸ごと一つとみなして)、身体のゆがみや偏りを是正していく治療学です。
漢方医学では、「気」「血(けつ)」「水(すい)」と呼ばれる3要素が体の中を常に巡っており、それによって心と身体の健康を保っていると考えられています。
「気」「血」「水」のいずれかのバランスが崩れてしまうと、身体の不調として現れると考えられているのです。
一方、西洋医学は人体をパーツとして見た上で、病巣と人体を分けて考え、それぞれの部分に効果的な物質や治療法を選択して行く学問です。
現代の医学は西洋医学が中心で、はっきりと原因が判明するような不調は西洋医学が得意ですが、原因がはっきりしない不調(不定愁訴や検査には表れにくいちょっとした不調)は漢方医学の方が得意と言えるかもしれません。
漢方医学の要素1:気
「気」とは大気や食物から取り込まれ、体の正常な働きに必要なエネルギー源として体を巡る生命エネルギー(代謝・運動等のエネルギー)のことです。
気が滞っている状態を「気鬱」と言います。(「気滞」とも言います。)気鬱の症状は、抑鬱傾向、頭重感、喉のつっかえ感、胸のつっかえ感、不安感、腹部膨満感などがあります。
「気」が滞っている部分により、現れる症状が異なるのです。精神的ストレスにより自律神経に乱れが生じやすいとも言えます。気の巡りを良くする漢方製剤としては、半夏厚朴湯や香蘇散などがあります。
気が不足している状態は「気虚」と言います。気虚の症状は、体がだるい、気力がない、疲れやすいなどがあります。
気が足りていないので、これを補充するような漢方製剤や、そもそもエネルギー源(食物)を摂取できる胃の調子を整えるような漢方製剤(補中益気湯、六君子湯、人参湯など)を用います。
気が上がったままの状態は「気逆」と言います。気の流れに異常があり、症状としては冷えやのぼせ、動悸発作、顔面を紅潮させての咳、焦燥感などがあります。
漢方医学の要素2:血
「血」は血液および血液によってもたらされる栄養分のことです。酸素や栄養素を全身の細胞に運び、「気」とともに生命を維持する上で重要な要素です。
血が滞っている状態を「瘀血」と言います。その症状は頭痛、生理痛、狭心痛などの「痛み」や、子宮筋腫、卵巣嚢腫などの「しこり」、目の下のクマ、舌・唇に暗紫色の「黒ずみ」といったものがあります。
「痛み」「しこり」「黒ずみ」というのがポイントです。血の停滞には、桂枝茯苓丸、桃核承気湯、当帰芍薬散、加味逍遥散などが用いられます。
血が不足している状態を「血虚」と言います。無理なダイエットや、月経過多・妊娠・出産等で血の消耗が激しい時に「血虚」の状態になりやすいです。
顔色不良、肌荒れ、髪や爪が傷みやすい、かすみ目、こむら返りなどの症状が見られます。
漢方医学の要素3:水
「水」は血液以外の全ての体液(汗、唾液、尿、関節液など)のことです。身体は老廃物を体外に排出しつつも、必要な水分のバランスを保たなければいけません。そのバランスが崩れると不調につながります。
水が滞っている状態を「水毒」と言います。(「水滞」とも言います。)
「水」が滞っている部分により現れる症状が異なり、
頭部の不調は頭重感、めまい、耳鳴り、立ちくらみ、関節の不調は関節の炎症・痛み・こわばり、腹部の不調は腹水、消化不良などで現れます。
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