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【登録販売者試験対策】殺虫剤・忌避剤に関するまとめ
殺虫成分
殺虫成分は大きく6種類。「有機リン系殺虫成分」「ピレスロイド系殺虫成分」「カーバメイト系殺虫成分」「オキサジアゾール系殺虫成分」「有機塩素系殺虫成分」「昆虫成長阻害成分」があります。6種類を全て細かく覚えることは大変ですが、試験に出題されるのは「どのように作用するのか」なので、そこに焦点を当てて覚えていきましょう。
有機リン系殺虫成分
有機リン系殺虫成分は、ジクロルボス、プロペタンホス、トリクロルホン、ダイアノジン、フェニトロチオンなどがあります。
アセチルコリンエステラーゼと不可逆的に結合してその働きを阻害することで、害虫を殺します(この「不可逆的」というのは、決して元に戻らない、ということであり、これが試験頻出ポイントです)。筋肉や神経の伝達物質であるアセチルコリンを分解するアセチルコリンエステラーゼは昆虫でもヒトと同様に重要な働きをしています。
なお、人体に対して高濃度のものや多量に暴露した場合は、縮瞳や呼吸困難などの症状が現れるおそれがあります。
ピレスロイド系殺虫成分、有機塩素系殺虫成分
ピレスロイド系殺虫成分は、ペルメトリン、フェノトリン、フタルスリンなどがあり、比較的速やかに自然分解します。
そのため残効性が低く、家庭用殺虫剤に広く用いられています。神経細胞に直接作用して、神経伝達を阻害することで殺虫作用を示します。ピレスロイド系殺虫成分を含む身近な製品としては蚊取り線香があります。蚊取り線香の原料である殺虫菊には、ピレスロイド系成分が含まれているのです。
有機塩素系殺虫成分としてオルトジクロロベンゼンがあり、ピレスロイド系殺虫成分と同じく、神経細胞に直接作用して、神経伝達を阻害することで殺虫作用を示します。かつては広く使用されていましたが、残留性や体内蓄積性の問題から現在ではオルトジクロロベンゼンがウジ・ボウフラ防除の目的で使用されているのみです。
カーバメイト系殺虫成分、オキサジアゾール系殺虫成分
カーバメイト系殺虫成分としてはプロポスクル、オキサジアゾール系殺虫成分としてはメトキサジアゾンがあります。
いずれも有機リン系殺虫成分と同じく、アセチルコリンエステラーゼに結合して、その働きを阻害することで殺虫作用を示します。
有機リン系殺虫成分と異なるのは、アセチルコリンエステラーゼと「可逆的に」結合することです。可逆的ということは、有機リン系殺虫成分と比べてその毒性は低くなります(「可逆的」というのが、試験頻出ポイントです。必ず覚えておきましょう)。
昆虫成長阻害成分
昆虫成長成分としては、メトプレン、ピリプロキシフェン、ジフルベンズロンなどがあります。
メトプレン、ピリプロキシフェンは、昆虫の「変態」を阻害します。変態というのは、昆虫が生息する場所を変えるときに、姿や形を変える成長段階の変化のことです。
簡単に言うと、昆虫が幼虫から蛹になるのを防ぐため、蛹にならない昆虫(ダニ、ノミ、コオロギなど)には効果がありません。また、ジフルベンズロンは昆虫が脱皮することを阻害します。そのため、成虫になって脱皮しなくなると効果がなくなります。
忌避成分
忌避成分としてディートがあり、虫が寄り付かないようにさせる効果があります。
忌避作用を示すのは、虫が一般にこの物質の臭いを嫌うためと考えられていますが、詳細はわかっていません。決して虫を殺す作用はなく、忌避成分は人体に対して使用することができます。
殺虫補助成分
殺虫補助成分は、ピペニルブトキシド(PBO)やチオシアノ酢酸イソボルニル(IBTA)などがあります。
その殺虫作用は弱く、あくまでも殺虫「補助」なのです。殺虫成分をあわせて配合されることで、その殺虫効果を高めます。
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