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登録販売者ドタバタ劇場

お客様はかぜ薬にどんなイメージを持っているか

代表的な市販薬といえばかぜ薬。かぜをひいた時、あまりにひどい場合以外は市販薬で対応するというお客様も少なくないですよね。しかし、お客様が「かぜ」と「かぜ薬」について正しい知識を持っているとは限りません。今回は一般のお客様がかぜやかぜ薬に対して抱いている誤ったイメージについて考えてみましょう。

意外に多いかぜ薬に対する誤った認識

「かぜの原因はかぜ薬で排除できる」、「かぜはかぜ薬を飲まなければ治らない」、「かぜはかぜ薬を飲めば治る」。この3つは正しいといえるでしょうか。答えはNo。

かぜの原因であるウイルスは、かぜ薬で排除することはできませんし、かぜ薬の目的はつらいかぜ症状を和らげる対症療法ですので薬を飲まなかったとしても治すことは可能です。また、かぜを治すのはあくまで体の自然治癒力ですので、かぜ薬を飲めばそれだけでかぜが治るわけでもありません。

こう言ってしまうと、それではなぜかぜ薬を飲む必要があるのかという疑問も生まれそうですが、お客様が上の3つのような誤った認識をしていることは珍しくありません。

副作用は起こらないし、起こるべきでない?

また、かぜ薬に限ったことではありませんが、副作用についても多くの誤解があります。

どんな薬であれ副作用は必ず存在し、使い方を誤れば健康を損なってしまう可能性のあるものだということは、登録販売者である皆さんならもちろん知っているはず。

しかし、一般のお客様の中には副作用の全くない「夢のような薬」があり、また厚生労働省によって認められた市販薬は全てそうあるべきだと考えている人が一定数いるのです。

「極めて安全性の高い薬でも副作用が存在するからこそ、正しい知識を持って使い方を守らなければならない」という認識に変えられるようなアドバイスをする必要がありそうですよね。

説明は的確に、手短に

こうした誤った認識は、能動的な情報収集を行わないお客様に多いとされています。確かに薬や健康に興味がなければ自ら進んで情報収集なんてしませんよね。

しかし、だからといって知らないままでは危険も大きくなります。興味をあまり持っていないお客様にこそ、適切な説明が必要になるでしょう。

一般的に「添付文書中で(他の項目は読まなくても)用法・用量だけは確認する」という人が多いとされているため、説明は用法・用量以外の絶対に知っておいた方が良い重要事項を伝え、できるだけ手短にするとより効果的になりそうですね。

テレビCMなどでも盛んに行われている市販薬の宣伝では、時に誤ったイメージを与えてしまうこともあります。短時間に有効性や安全性を伝えなければならないため仕方のない部分もありますが、これによって誤った認識を持ったお客様が薬局やドラッグストアに来たときどうしたら正しい知識を伝え、理解してもらえるかを日頃から意識しておけると良いでしょう。

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