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登録販売者ドタバタ劇場

低血糖時、ブドウ糖をとってと言われるけど、飴で良いの?

薬の説明書に、低血糖になった時はブドウ糖をとりましょう。と書いてあるのを見たことがあると思います。お客様の中にも、ブドウ糖を買いに来たんだけど、どれがいいんだろう? ブドウ糖ってなんだろう? 飴でいいのかな? と疑問に思っている方は多いです。そんな時相談にのれるのは登録販売者の皆さんです。低血糖とはどんな症状なのか、どんな対応をすればいいのか、解説していきます。

低血糖とは?

一般的に、1滴程度の血を採取して検査をし、血糖値が70mg/dL以下になった状態であれば低血糖と覚えておきましょう。

低血糖とはどの様な症状なのか重症度別に見ていきます。

1)血糖値が急速に低下したときに起こる症状(交感神経刺激症状)・・・

手の震え、動悸、顔面蒼白、頻脈、発汗、不安

2)副交感神経への働きによる症状・・・強い空腹感

3)血糖値が50mg/dL程度まで低下したことで起こる症状:中枢神経のブドウ糖欠乏による症状(中枢神経症状)・・・頭痛、かすみ目、あくびや眠気、めまい

4)血糖値が50mg/dL以下で起こる症状:中枢神経のブドウ糖欠乏による症状(中枢神経症状)・・・意識レベルの低下 など

そして、低血糖の症状が続くと、血糖コントロールの乱れや、血糖値を上げるホルモンが逆に増えすぎて高血糖になりやすくなるということも考えられます。

更に他の疾患(心血管障害 不整脈、狭心症、心筋梗塞など)を患っている人は、その疾患自体を悪化させてしまう恐れがあります。

低血糖状態がどれほど怖いものなのか、分かっていただけたと思います。

低血糖を起こさない為に、よく病院では「ブドウ糖を持ち歩いてね」と説明がされているようです。お客様から『ブドウ糖を買いに来たんだけど、飴でいいの?』『ブドウ糖って何?』などなど…そんな質問を受けた時の対応を勉強していきましょう。

お客様に相談された時考えること

相談された時、まずはどんな糖尿病薬を飲んでいるか聞きましょう!

α-グルコシダーゼ阻害薬*1)を服用している場合は、砂糖(二糖類)がブドウ糖(単糖類)に分解される過程を阻害することで糖の分解・吸収を遅らせる作用の薬であるため、低血糖時、早く血糖を上げるためには直接ブドウ糖(単糖類)が必要なのです。

ショ糖(多糖類)は吸収されないので必ずブドウ糖を摂取するようにします。

*1)一般名(成分名)アカルボース、ボクリボース、ミグリトールです。製品名の一例、グルコバイ、ベイスン、ベグリラート、セイブル。

α-グルコシダーゼ阻害薬以外の糖尿病薬を飲んでいる方は、ブドウ糖と限らず、糖分の入った飴、お菓子、飲料水などを摂取しても構いません。

ただし、人口甘味料は効果がないので、甘いから大丈夫と判断できる訳ではない事も覚えておきましょう。

なぜブドウ糖がいいのか?

ブドウ糖は、ショ糖(多糖類=砂糖など)と違い、分解されずに吸収されるため、吸収が早く、すぐに効果が期待できます。

では、ブドウ糖を含む飲食物を紹介します。

  • コカコーラ
  • ファンタオレンジ
  • ファンタグレープ
  • カルピスウォーター
  • はちみつレモン
  • リアルゴールド
  • ブドウ糖飴
  • ブドウ糖ラムネ

などです。常に持ち歩くにはブドウ糖飴やラムネが良いでしょう。元々糖尿病患者であるため、常にコカコーラ等のブドウ糖がたくさん入った飲み物を飲む事はおすすめできません。あくまでも、低血糖時に限ります。

いざ低血糖になってしまった! 対応は?

ブドウ糖を5~10g含むものや砂糖を10g、またはブドウ糖を含むジュース150~200mLをとります。

15分ほど経過しても症状がよくならない、または血糖値が60mg/dL以下であるようであれば、再度、同じようにブドウ糖や砂糖、ジュースをとります。

→それでも回復がみられない場合は、すぐに医療機関を受診する必要があります。

低血糖は突然起こります。外出時には角砂糖やブドウ糖、飴などを常に持ち歩くようにアドバイスしましょう。

低血糖にならない為には?

低血糖が起きてしまうタイミングに多いのは、薬の飲み間違え(薬の種類、用量、時間の誤りなど)や、食事時間がいつもより遅い、食事の量が予定量より少ない(不規則な食事)、激しい運動や長時間の運動をした、入浴中、飲酒時等です。

このような行動の際には注意をしていただく事が重要です。まずは低血糖にならないようにアドバイスする事が、お客様にとても親切な対応です。

 

低血糖は悪化すると命に関わる危険性があります。ブドウ糖のことを単なる砂糖だと思っているお客様も多くいらっしゃいます。なぜブドウ糖がいいのかを知った上で、お客様への接客が出来るようになりましょう。知識があれば自信を持って接客でき、それが信頼へと繋がります。

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