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「胃が痛い」と言われたらどの商品を選ぶ?

登録販売者のあなたはお客様に「胃が痛い」と言われた場合、どのような商品を選んでいますか? 「胃が痛いと言われたから胃薬をおすすめした」では登録販売者として未熟だと言われてしまうかもしれません。もう一歩先まで考えてきちんとしたヒアリングをすることで、そのお客様に合ったご案内が出来るようになりましょう。日々勉強・実践することでどんどん自分の知識や経験が蓄えられ、今後もし転職することになったとしても無駄にはならないと思います。

胃が痛い原因は?

胃の痛みは、様々な事が要因となり攻撃因子と防御因子のバランスが崩れるため起こることが多いです。

一般的に、胃酸の分泌が増えて粘膜を傷めている場合や胃粘膜の抵抗性が崩れて胃酸に耐えられない場合、胃の蠕動運動が激しいために差し込むような痛みが出る場合の3つの分類に分けられます。

例えば、ストレスや寝不足、痛み止めの乱用、喫煙、アルコール、刺激物の多い食事、暴飲暴食、ピロリ菌感染などが原因となり、消化不良や胸焼け、胃の痛みが出ます。

お客様が「胃が痛い」と言っていても胃が原因とは限らない!?

「お腹が痛い」と「胃が痛い」の違いはなんでしょうか。日本語のニュアンスは難しく、人それぞれのイメージもあります。

また医療に携わっていない方の場合は痛いと思っている場所が胃ではなく、違う場所の可能性もあります。そのため、お客様の主訴だけで判断してしまうと、お勧めする商品は限定的になってしまいます。

この勘違いを防ぐためには、「どのあたりが痛いか」「どんな時に痛みがでるか」など、お客様の手で場所を押さえて頂くことや痛みが出る状況を伺うことが重要です。

例えば、胃より上の方であれば胸や心臓、肺、また下の方であれば腸や生殖器などの可能性もあります。

さらに、お客様に伺った痛みがでる時の情報を加えれば、胃薬を進めるか否かはある程度判断できると思います。このように、薬よりも先に本当に痛みがあるのは胃なのかを考えることも大切です。

確認だけであれば数秒で出来るため、その症状が胃だと確認してからお勧めする薬を考えるようにすると、さらにワンステップ上の登録販売者になれるかと思います。

実際におすすめするべき商品について

併用薬や既往歴の確認などのヒアリングが済んだら薬の選択になります。

胃の痛みが空腹時に起きる場合は胃酸過多によることが多い為(特に若者)、胃酸を抑えるH2ブロッカーやピレンゼピン配合の成分、胃酸を抑える金属系成分配合の商品(腎機能が悪い人は注意)が良いかと思います。

痛みが食後である場合は、胃粘膜保護の成分や漢方成分の健胃薬も良いでしょう。暴飲暴食やアルコールが原因の場合はもちろん食事に気をつけて頂くのが1番ですが、消化酵素配合薬で胃の消化機能をサポートしてあげるのも良い選択だと思います。

一般的に脂質は炭水化物に比べて消化されにくく、胃の中での滞留時間が長いために胃がもたれやすくなります(登録販売者試験の過去問にもありました)。

これらの理由も含めてお伝え出来るとお客様も納得しやすいです。また胃だけではなく腸のあたりの痛みも伴うのであれば、鎮痙剤のロートエキスやブチルスコポラミン、ビフィズス菌などの整腸剤も良いかと思います。

痛み止めを服用中であれば、胃を攻撃しないアセトアミノフェンに変更するのも1つの手です。ただし注意して頂きたいのが、継続して服用しても良くならない場合や明らかにおかしい痛み(激しい痛み、徐々に痛みが強くなっていく)、発熱やひどい吐き気を伴う場合は病院を受診して頂きましょう。

さらにご一緒におすすめできる薬以外の商品

刺激物の多い食事は胃だけでなく腸も刺激することがあり、結果として腹痛(腸運動の活発化)が起きる可能性があります。

この可能性を考慮した上で、使い捨てホットカイロや何度も使える湯たんぽなど腹痛を和らげる商品もご一緒におすすめすることが出来ます。

また、仕事中や電車の中で困らないように止瀉薬をおすすめすることも出来ます(一時的な使用が望ましいです)。もし日々の仕事のストレスが原因と考えられるのであれば、入浴剤やホットアイマスクなどのリラックスグッズを一緒におすすめしても良いかと思います。

ご案内をする余裕がないとしても、商品棚の近くにPOPと一緒に陳列することで商品を紹介するのも一つの手です。

今回は簡単にまとめてみましたが、大切なのはただ胃薬をおすすめするのではなく、お客様に合った商品や提案をご案内することです。この時、必要であれば受診勧告をすることも登録販売者として非常に重要です。商品をご案内後は、他の商品も関連づけて一緒にご購入してもらうまでいけるとお店にとっても良いでしょう。お客様も急いでいたり、日々の業務が忙しく一人一人に時間を割くことが出来ないとは思いますが、1人でも多くここまでのご案内が出来ると今後のキャリアアップにも繋がってくるかと思います。

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