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【登録販売者試験対策】強心薬に関するまとめ
強心薬の働き
通常、全身に血液を送り出す心臓の動きは自律神経系によって無意識のうちに調整がなされています。そのため、激しい運動をしたりすると、動機や息切れというのは起こりうるものです。
心臓の働きが低下すると十分な血液が送り出せないため、脈拍数を増加させることでそれを補おうとし、動悸が現れます。また、意識的に呼吸運動をして酸素を取り込もうとするため、息切れが起こるのです。睡眠不足や疲労、不安やストレス等でも動悸や息切れが現れることもあります。
疲労やストレス等による軽度の心臓の働きの乱れについて、心臓の働きを整えて、動悸や息切れ等の症状の改善を目的としているのが強心薬です。心筋に作用して、その収縮力を高めるとされる成分(強心成分)を主体として配合されます。この強心成分は生薬が中心であり、試験にも出題されやすいですので、一つ一つ押さえていきましょう。
主な強心成分
センソ
センソは、ヒキガエル科のシナヒキガエル等の毒腺の分泌物を集めたものを基原とする生薬です。微量で強い強心作用を示します。有効域が比較的狭く、一般用医薬品では1日用量が5mg以下となるよう用法・用量が定められています。
細かいですが、この「5mg」という数字と単位が試験で問われることもありますので、覚えておいてください。センソの含有量が5mgを超えると劇薬に指定されます(繰り返しになりますが、一般用医薬品は5mgを超えることはありません)。
また、センソは皮膚や粘膜に触れると局所麻酔作用を示します。そのため、センソを含む錠剤を口の中で嚙み砕くと、舌などが麻痺することがあるため、噛まずに服用しなければいけません。これも使用上の注意として出題されることがあります。
ジャコウ
ジャコウは、シカ科のジャコウジカの雄の麝香腺分泌物を基原とする生薬です。強心作用の他にも「呼吸中枢を刺激して呼吸機能を高める」「意識をはっきりさせる」「血液循環を促進する」などの作用が期待できます。この中でも、「意識をはっきりさせる」作用は、ジャコウ特有のものなので、確実に覚えておいてください。
ロクジョウ
ロクジョウは、マンシュウアカジカまたはマンシュウジカのオスのまだ角化していない、もしくは、わずかに角化した幼角を基原とする生薬です。強心作用のほか、強壮、血行促進などの作用が期待できます。
「鹿」が関連する生薬であることは、先に述べたジャコウも同様です。そのため、ジャコウとロクジョウについては、基原の記載を入れ替えて出題されることもあります。
ゴオウ
ゴオウは、ウシ科のウシの胆嚢中に生じた結石を基原とする生薬です。強心作用のほか、末梢血管の拡張による血圧降下や、興奮を鎮める、解熱などの作用が期待できます。
ゴオウも出題率の高い生薬であり、基原まで覚える必要があります。ゴオウは漢字では「牛黄」。その漢字からも「牛」が基原であることは明白であるため、少しは覚えやすいかもしれません。
強心成分以外の配合成分
強心薬には、強心成分以外にも強心成分の働きを助けるもの、鎮静、強壮などの作用を持つ生薬成分も併せて配合されている場合が多いです。
中枢神経系の刺激作用による気つけ(心臓の働きの低下による一時的なめまい、立ちくらみ等の症状に対して、意識をはっきりさせたり、活力を回復させる)の効果を期待して用いられるのがリュウノウ。この「気つけ」は、医薬品にて、唯一、リュウノウにしかない効果・効能です。そのため、試験対策として押さえるべきポイントと言えます。
鎮静作用を期待して用いられるのはシンジュです。シンジュは、ウグイスガイ科のアコヤガイ、シンジュガイ又はクロチョウガイ等の外套膜組成中に病的に形成された顆粒状物質が基原となっています。そうです、あの「真珠」です。
強心成分であるジャコウ、ロクジョウ、ゴオウの方が頻出ですので、優先度はそこまで高いわけではありませんが、リュウノウ、シンジュについても覚えておいて損はありません。
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