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【登録販売者試験対策】妊娠と薬の影響を理解しよう! 妊娠検査薬の仕組みってどうなっているの?
妊娠と薬の影響
妊娠中に薬を使用することは良くないと漠然と知っているとは思いますが、特に注意をしなければならない時期があります。
通常、妊娠週数は最後の月経が始まった日から起算されて計算します。(妊娠が成立した日を厳密に特定することは困難なことが多いため)
妊娠3週目ぐらいまでは、妊娠に気づくことも少なく、薬もそのまま気づかずに飲んでしまうことが多い時期です。
妊娠4週~7週目ぐらいは最も薬の影響を受けてしまうと言われている時期です。胎児の重要な器官(心臓、神経、消化器官、手足など)が作られる時期であり、薬を服用することによって奇形を起こすリスクが最も高まります。
妊娠8週~16週目ぐらいも薬の影響を受けやすい時期と言われています。胎児によっては、重要な器官の形成がずれ込むこともありますので、薬の服用は避けた方がよいと言われています。
妊娠17週目以降は、薬による胎児の奇形のリスクは下がると言われています。しかし、薬によっては胎児へ栄養や酸素を供給する血管を収縮させるものもあるため、注意は必要です。
このように、妊娠期間中は常に胎児への薬のリスクは考えなければならないのですが、特に注意が必要なのが妊娠初期です。
妊娠検査薬はドラッグストアで手軽に購入できますが、これは妊娠しているかどうかを早い段階で知り、薬に限らず食事内容や飲酒、喫煙といった胎児への悪影響を避けるためにも重要なものなのです。
妊娠検査薬の仕組み
それでは、妊娠検査薬はどのようにして妊娠有無を判定しているのでしょうか。
妊娠が成立すると、胎児(受精卵)を取り巻く絨毛細胞からヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)が分泌され始めます。
これがやがて尿中にも排出されるようになり、妊娠検査薬は尿中のhCGの有無を調べているのです。通常、実際に妊娠が成立してから4週目前後の尿中hCG濃度以上であれば、妊娠検査薬で判定が可能となっています。
そのため、一般的な妊娠検査薬では月経予定日が過ぎて概ね1週目以降に検査を行うことが推奨されています(試験頻出ポイントです!)。
これよりも早い段階で検査をして陰性となっても、本当に妊娠していないのか、または実際には妊娠しているのに尿中hCG濃度が検出感度に達していない(偽陰性)のかがわかりません。
妊娠検査結果に影響を与えるもの
妊娠検査結果には、検体(尿)の取扱いによって影響を受けることがあります。
例えば採尿後は速やかに検査を行うよう推奨されています。これは採取した尿を放置すると、雑菌の繁殖等により検査結果に影響を与える恐れがあるためです。
また、検体としては尿中hCGが検出されやすい起床直後の尿が良いとされています。
もともと高濃度のタンパク尿や糖尿である方、ホルモン分泌に影響を与えるような疾患(特に腫瘍)がある方、経口避妊薬やホルモン剤を服用している方が妊娠検査を行うと、検査薬がうまく反応せずに偽陽性(実際は妊娠していないのに、妊娠していると判定された結果が出ること)を示すこともあります。
登録販売者試験においても「絨毛細胞が腫瘍化している場合には、妊娠していなくても検査結果が陽性となることがある」とそのまま出題されたこともありますので、覚えておいてください。
検査結果の捉え方
妊娠検査薬は、あくまでも妊娠の早期判定の補助として用いられるものです。決してその結果をもって妊娠しているかどうかを断定することはできません。
妊娠の確定診断には、尿中のホルモン検査だけでなく専門医による問診や超音波検査を行い、総合的に妊娠の成立が見極められます。
また、妊娠検査薬の結果のとおり実際に妊娠している場合でも、医学的に正常な妊娠が成立しているのかどうかは検査薬だけではわかりません。
そのため、妊娠している可能性が判明した場合は、早期に専門医の診断を受けることが大切です。
妊娠検査薬の結果が陰性にも関わらず、月経が明らかに遅れているような場合は検査結果が偽陰性(実際には妊娠していた)である可能性も否定できません。
偽陰性でなくても続発性無月経症といった婦人科系の疾患の症状である可能性もありますので、いずれの場合も医療機関への受診が推奨されます。
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