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【登録販売者試験対策】滋養強壮保健薬 ~水溶性ビタミンの働き~

体を健康に維持するために欠かせない栄養素であるビタミン。ビタミンはその性質によって脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンに分けられます。登録販売者試験範囲の中では「第3章 主な医薬品とその作用:ⅩⅢ 滋養強壮保健薬」に含まれており、きちんと理解しておく必要があります。今回はビタミンの中でも、水溶性ビタミンの働きや覚えておくべきポイントを解説していきます。

ビタミンB1

ビタミンB1は炭水化物からのエネルギー産生に不可欠な栄養素で、神経の正常な働きを維持する作用や腸管運動を促進する作用があります。

科学的にはチアミンとも呼ばれることがあり、ビタミンB1主薬製剤はチアミン塩化物塩酸塩、チアミン硝化物、ビスチアミン硝酸塩、チアミンジスルフィドなどが配合されており、眼精疲労や神経痛、筋肉痛、関節痛、手足のしびれなどの緩和などに用いられます。

ちなみに、ビタミンB1含有量が高い食品は豚肉やレバー、豆類が有名です。米のヌカ部分にも豊富にビタミンB1が含まれているので、精白米よりも玄米を食べる方がビタミンB1を摂取することができます。

ビタミンB1が不足すると脚気(末梢神経障害や心不全、浮腫などが現れる病気)を引き起こします。

ビタミンB2

ビタミンB2は、脂質の代謝に関与して皮膚や粘膜の機能を正常に保つために働きます。科学的にはリボフラビンと呼ばれることがあり、ビタミンB2主薬製剤はリボフラビン酪酸エステル、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、リボフラビンリン酸エステルナトリウムなどが配合されています。

主に口内炎や口角炎、舌炎、皮膚炎、目の充血などに用いられる他、肌荒れ対策などの美容目的として摂取するサプリメントもあります。

ビタミンB2は水に溶けると黄色を示すため、ビタミンB2主薬製剤やサプリメントを服用すると体内で吸収されなかった分が尿に溶け込んで排泄され、尿の色が濃い黄色になるといった特徴があります。これを知らずにサプリメント等を服用して、自分の尿の色に驚いてしまう方もいらっしゃいます。

ビタミンB6

ビタミンB6はタンパク質の代謝に関与し、皮膚や粘膜の健康維持、神経機能の維持を行います。ピリドキシンやピリドキサールと呼ばれることも多く、ビタミンB6主薬製剤にはピリドキシン塩酸塩またはピリドキサールリン酸エステルとして配合されます。

ビタミンB2主薬製剤と同様、口内炎や口角炎、舌炎、皮膚炎などに用いられる他、肌荒れ対策などの美容目的として摂取するサプリメントもあります。

ビタミンB6は体の中で赤血球の血色素であるヘモグロビンの合成にも関与しています。そのため、貧血の治療で医療用医薬品のビタミンB6製剤が用いられることもあります。

ビタミンB12

ビタミンB12は赤血球の形成を助けたり、神経機能を正常に保つ働きがあります。ビタミンB12主薬製剤にはシアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン塩酸塩として配合されています。

ビタミンB12が不足すると体内で赤血球をきちんと作ることができないため、貧血を起こします。特にビタミンB12不足で起こる貧血を巨赤芽球性貧血といい、何らかの疾患で胃や腸を切除している場合などは起こりやすい貧血です。

ビタミンC

ビタミンCは体内の脂質を酸化から守る作用(抗酸化作用)を持ち、皮膚や粘膜の機能を正常に保つ働きがあります。メラニンの生成を抑制することも分かっており、美白を謳う化粧品などにも配合されることがあります。

ビタミンC主薬製剤には、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウムとして配合されています。

しみ、そばかす、日焼け・かぶれによる色素沈着の症状の緩和の他にも、歯ぐきからの出血・鼻出血の予防にも用いられます。

ビタミンCは柑橘系などの果物や野菜に多く含まれています。ビタミンCは免疫力にも関わっており、病気やストレスへの抵抗力を強めるとも言われていますので、積極的に摂取することを意識してみてもよいですね。

その他の水溶性ビタミン

これまで述べたビタミン以外には、水溶性ビタミンとしてビタミンB群の一つであるナイアシン(ニコチン酸、ニコチン酸アミドの総称)、パントテン酸、ビオチンなどがあります。いずれも皮膚や粘膜などの機能を維持することを助ける働きを持っています。

水溶性ビタミンは「水に溶けることができる」といったその性質から、通常食事等から摂取する分だけでは過剰症を引き起こすことはありません。薬やサプリメントとして摂取する際も必要な分だけが体内に吸収され、残りは尿に溶け込んで排泄されるため過剰症は起こりにくいです。そのため、試験対策として覚えておくとよいのは欠乏症。ビタミンB1不足による脚気はとても有名なので忘れないようにしてください。あわせて、それぞれのビタミンが体内でどのような働きをしているかを覚えておくとよいでしょう。

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