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ビタミンの過剰症と欠乏症について知っておこう
早速、問題を見ていきましょう。
登録販売者試験の過去問(平成30年 京都府 午前)
ビタミンに関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
- ビタミンB2は、赤血球の形成を助け、また、神経機能を正常に保つために重要な栄養素である。
- ビタミンEは、下垂体や副腎系に作用してホルモン分泌の調節に関与するとされており、生理が早く来たり、経血量が多くなったりすることがある。
- ビタミンDの欠乏症としては、高カルシウム血症、異常石灰化が知られている。
- ビタミンAは、夜間視力を維持したり、皮膚や粘膜の機能を正常に保つために重要な栄養素である。
ヒント(1 正 誤 正 誤 2 正 誤 正 正 3 正 正 誤 誤 4 誤 正 正 正 5 誤 正 誤 正)
https://www.pref.kyoto.jp/yakumu/documents/h30mondaigozen.pdfより一部改変して抜粋
ビタミンの種類
ビタミンには水に溶ける水溶性とあぶらに溶ける脂溶性の2種類があります。
- 脂溶性ビタミン:ビタミンD、A、K、E(これだけ(DAKE)と覚えましょう!)
- 水溶性ビタミン:ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、葉酸、ビオチン、パントテン酸、ビタミンC
すでにご存知だとは思いますが、水溶性は尿などと共に体の外に排出されやすい反面、脂溶性は体の中に蓄積されやすい性質をもっているため、脂溶性の方が過剰症をおこしやすいといわれています。
それぞれのビタミンの役割と過剰症・欠乏症
ビタミンは、ヒトが健康を維持するために必要な働きをしている成分の一つです。ほとんど体の中で作ることが難しいため、いかに食事から摂取することができるかが、大切になってきます。
水溶性ビタミンは過剰症があまりないとされていますが、サプリメントの過剰摂取や重複によって思わぬ健康障害を起こしてしまうこともあるため、お客様が購入される時に確認するようにしましょう。
ビタミンD
腸管からカルシウムやリンの吸収を促し、骨や歯の成長に必要不可欠な働きをします。人の 皮膚上にはビタミンDのもととなる成分があるため日光を浴びることでその成分がビタミンDに変化します。
そのため、ビタミンDは食品からだけでなく日の光に当たることでも生成されます。
- 欠乏症:くる病(乳幼児)、骨軟化症(成人)など
- 過剰症:高カルシウム血症、腎障害など
ビタミンA
生殖機能維持や成長に関与しており、特に視覚によく効果がでます。
緑黄色野菜に多く含まれていますが、カロテンなどカロチノイド類として体内へ吸収された後、体内で必要分のみビタミンAへ変換されるため緑黄色野菜の摂りすぎで過剰症になることはありません。
- 欠乏症:夜盲症、視力低下
- 過剰症:肝臓障害、胎児奇形(妊婦)
ビタミンK
出血を予防する作用や骨を丈夫にする作用をもちます。
- 欠乏症:出血傾向
- 過剰症:現在使用されているビタミンKは過剰症はないといわれています。
ビタミンE
生殖作用と関連があり、抗酸化作用ももちます。
- 欠乏症:未熟児の溶血性貧血、流産しやすくなる可能性
- 過剰症:通常の食生活ではなし。
ビタミンB類
ビタミンB1:糖質の代謝を行うのに必要な働きをする。欠乏症→めまい、疲労、全身倦感
ビタミンB2:三大栄養素の補酵素、脂質の代謝に関与し皮膚のビタミンと呼ばれている。欠乏症→口角炎、口唇炎
ビタミンB6:アミノ酸の分解にかかわる、妊娠中のつわりを軽くする作用もある。欠乏症→神経障害、皮膚疾患、過剰症→知覚神経障害(サプリメント注意)
ビタミンB12:赤血球の生成促進、タンパク質の代謝に関与。
ナイアシン:糖質の代謝に関与。欠乏症→全身疲労、食欲不振、ペラグラ(皮膚が赤くなり、倦怠感やうつ症状が出る病気)
葉酸:赤血球の合成に関与し、貧血を予防する。欠乏症→貧血
ビオチン:アミノ酸や脂肪酸の代謝に必要。腸内細菌でつくることができるため、不足することは少ない。
パントテン酸:三大栄養素すべての代謝に関与。欠乏症→抹消神経障害
ビタミンC
抗酸化作用があり、その他にもさまざまな作用をもつ。コラーゲンの生成の促進や風邪や壊血病の予防する作用がある。欠乏症→壊血病、過剰症→吐き気、下痢、腎結石(食品ではなし)
問53 の解答!!
答えは5になります。解くことができましたか?
選択問題なため全てわからなくても問題自体は解くことができるかもしれませんが、試験勉強の時点でできるかぎり理解ができていると、働き始めてからも現場で役立つ知識になってきます。
ぜひ、間違えてしまった方はチャンスと捉えて復習してみて下さい。
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