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【登録販売者試験対策】滋養強壮保健薬 ~脂溶性ビタミンの働き~
滋養強壮保健薬とは
そもそも、ここで言う滋養強壮保健薬とは、体調の不調を生じやすい状態や体質の改善、特定の栄養素の不足による症状の改善又は予防等を目的として、ビタミン成分、カルシウム、アミノ酸、生薬成分等が配合された医薬品を指します。
ビタミン等の補給を目的とするものとしては医薬部外品の保健薬も存在し、その効能・効果の範囲は、滋養強壮、虚弱体質の改善、病中・病後の栄養補給等に限定されています。
医薬部外品の保健薬について、その配合成分や分量は人体に対する作用が緩和なものに限られており、ビタミン等でも1日最大量が既定値を超えるものは医薬品としてのみ認められています。
また、神経痛、筋肉痛、関節痛、しみ・そばかす等のような特定部位の症状に対する効能・効果については、医薬品においてのみ認められていますので、これもまた滋養強壮保健薬とは異なります。
ビタミン剤
ここでビタミン剤と呼ぶものは、滋養強壮保健薬の中でも1種類以上のビタミンを主薬とし、そのビタミンの有効性が期待される症状及びその補給に用いられることを目的とする内服薬のことです。
ビタミンは微量ながらも体内の代謝に大きく関わる重要な化合物です。しかし、人間の体で産生できる量だけでは不十分であったり、そもそも産生できないビタミンも存在します。
そのため、体内で必要なビタミンは外部からも摂取する必要がありますが、多く摂取したからといって適用となっている症状の改善が早まるものではありません。
水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンの大きな違い
ビタミンはその性質によって脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンに分けられます。そこで知っておきたいのが、脂溶性ビタミンの過剰摂取によるリスク。これをきちんと理解しておきましょう。
そもそも水溶性ビタミンの場合、過剰摂取のリスクはほとんどありません。水溶性というのは、水に溶けることができる性質。
そのため、水溶性ビタミンでは摂取した分すべてを体に吸収した後でも、必要以上の水溶性ビタミンは尿などの水分に溶け込んで体外へ排泄されます。
一方、脂溶性ビタミンの場合は、油に溶けることができる(水には溶けない)性質を持ちます。脂溶性ビタミンは体に吸収されると、肝臓や全身の脂肪に蓄えられてしまうのです。これが過剰症を起こしてしまう理由です。
多くの種類があるビタミンの中で、脂溶性ビタミンは「ビタミンA、E、D、K」のみ。(ゴロ合わせで「脂溶性ビタミンはこれ”だけ”!=これD・A・K・E」とすると、覚えやすいですよ。)残りは水溶性ビタミンですので、どれが脂溶性ビタミンなのかを覚えておくと良いでしょう。
それでは、脂溶性ビタミンのそれぞれの働きを確認していきます。
ビタミンA
ビタミンAは別名レチノールとも呼ばれ、夜間視力を維持したり、皮膚や粘膜の機能を正常に保つために重要な栄養素です。
ビタミンAが不足すると夜間の視力低下(夜盲症)を生じます。脂溶性ビタミンであることから過剰摂取のリスクが付きもので、特に妊婦では胎児の先天異常への影響が認められており、注意が必要です。
ビタミンD
ビタミンDはカルシウムの体内への吸収に関わり、骨の形成を助ける栄養素です。不足すると骨や歯の発育不良やくる病をきたします。食品から摂取したビタミンDや体内で生合成したビタミンDは、腎臓で活性型に変換されて働きます。
ビタミンK
ビタミンKは、体の中では大腸の腸内細菌が生産しています。血液凝固や骨のカルシウム定着に関与する栄養素です。ビタミンKは様々な食品に含まれていますが、特にモロヘイヤや納豆には多く含まれています。
ビタミンE
ビタミンEは別名トコフェロールとも呼ばれ、体内の脂質を酸化から守り、細胞の活動を助ける栄養素です。血流を改善させる作用もあります。アーモンドや植物油などの食品にも多く含まれています。抗酸化作用を持つため、アンチエイジングに良いと美容成分としても有名です。
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