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登録販売者ドタバタ劇場

「密閉容器・気密容器・密封容器」とは

医薬品には使用期限がありますよね。これは時間が経つにつれて有効成分が変化し、効果がなくなったり悪影響を及ぼすものに変わってしまったりするためです。変化の原因はさまざまですが、中でも空気中の水分や酸素に大きく影響されます。この影響を防ぐためには容器の特徴を知っておかなければなりません。今回は密閉容器、気密容器、密封容器の違いについて考えてみましょう。

簡易的で使いやすい反面、保存に弱い密閉容器

密閉容器は中でも最も簡易的な容器で、固体、液体、気体のうち固体の進入のみを防ぐことができます。具体的には紙袋や紙箱があります。

収納や取り出しがしやすく、運搬などには最適ですが液体をこぼした場合はもちろん、空気中の湿気を防ぐこともできませんので保存には向きません。

したがって市販薬では直接医薬品を包む容器が用いられることは少なく、外箱などとして使われます。ちなみに処方薬を薬包紙(一包化の紙なども含む)で包む場合がありますが、これは市販薬に比べ短期間で使用することがわかっているからです。

実用性良し。ある程度の保存性も期待できる気密容器

気密容器は固体と液体の進入を防ぐことができる容器で、密閉容器よりも保存性に優れています。ビンや缶、プラスチック容器、SP包装、PTP包装などがこれに該当します。

ビンや缶は必ずフタがありますし、SP包装、PTP包装は一度開けてしまえば効果はなくなるため密閉容器よりは多少扱い方に手間がかかりますが、かなり実用的です。

ほとんどの市販薬が気密容器に充填されています。内容物の風解、潮解、蒸発も防ぐため液体医薬品の容器としても用いられていますが、気体の進入を防ぐことはできないため空気中の酸素による酸化に弱い医薬品にはあまり適していません。

酸素も通さない密封容器

最も保存性に優れた容器が密封容器で、固体、液体に加え気体の進入も防ぎます。したがって酸素による酸化に弱い医薬品でも長期的に保存することができます。密封容器にはアンプルやバイアル、ガス充填された吸入剤のエアゾール容器などが該当します。

このため医療現場などでは良く用いられますが一般的な実用性は低く、開封時の危険もあるため近年ではアンプルで市販されることはほとんど見られなくなりました。

普段の業務中に容器を気にすることは少ないかもしれませんが、保存期間についてお客様に相談されることもあります。薬効成分の特徴からも考えられるとすばらしいですが、容器の面から説明するとお客様にも伝わりやすいので正しい知識を身につけておくと便利ですよ。

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