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もしかして不妊症?と悩んでいる方に、登録販売者が勧める漢方薬
不妊症になる原因の1つ
身体の冷えによって、子宮や卵巣の血流が低下すれば、卵胞発育が遅れ、無排卵や卵子の質が低下する可能性があります。
その他、子宮頚管の粘液分泌低下、子宮内膜が薄くなり着床障害の原因となる可能性も考えられます。
不妊治療に漢方療法を取り入れる利点
- 漢方医学はその病気の概念の中に、ストレス状態であるという"病態"の認識があるのが特徴で、抗ストレス剤といえる処方が、存在します。
- 虚弱体質の改善は漢方医学のメリット、且つ最も得意とする分野です。
- ホルモンの分泌や調整をする処方があり、単独,又は卵胞発育剤(クロミフェンやレトロゾールなど)との併用で妊娠到達率の向上が期待できます。
不妊治療でよく使用される当帰芍薬散は、動物実験の結果から、排卵時に卵巣から分泌されるエストラジオールを上昇させるという効果が証明されています。
様々な不妊の症状に合わせた、お客様が店頭で手に取れる漢方薬の選び方
・十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)
妊娠しやすい体づくりに、他の漢方薬と併用して使うなど、ベースになる漢方薬です。漠然とした不安をお持ちの最初の漢方薬におすすめできます。
医療現場では、流産の手術後、帝王切開手術後などによく処方されます。
・桂枝加竜骨牡蠣湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
はっきりとしない、漠然とした不安感がある方に向いている漢方薬です。特徴は、飲んだその日から不安感から解放されると言われています。
さらに、
- ⅰ.排卵まで20日以上かかる方(十全大補湯と併用で平均して16日前後で排卵する様に改善されます)
- ⅱ.子宮内膜が薄い方(十全大補湯との併用がおすすめです)
- ⅲ.眠りが浅く悪夢が多い方
この様な、妊娠するには大切となる子宮環境を整えるために大切な役割を果たします。
生理周期が長くて心配、月経経血が少ないという方に、⑴の十全大補湯との併用をおすすめします。
排卵から月経開始まで、いわゆる高温期に、イライラしてしまう方や、下半身は冷えるのに上半身から汗が出る方に向いています。
顔が火照る、生理前にイライラ、むしゃくしゃしてしまうと訴えるお客様におすすめできます。
経血量が少なく、子宮内膜が薄い方に向いています。
体外受精予定で、採卵周期開始や、自然周期融解胚移植開始する方にも向いています。
黄体機能向上が期待でき、排卵を誘発させる作用があります。
高度不妊治療中の方が妊娠率を上げるためや、月経が2〜3日であったり、経血量が少ない方、高温期が短い方におすすめします。
単独、又はクロミフェンやレトロゾールとの併用で、排卵率、妊娠率向上が認められています。ゴナドトロピン分泌を促進し、高プロラクチン血性卵巣機能不全にも有効性が認められています。
最近では、海馬に作用して抗ストレス作用を発現する可能性が示唆されています。
生理日の変動がある方、基礎体温の高温期低温期がはっきりしない方におすすめできます。
医療現場では、妊娠初期に流早産予防としても処方されています。
漢方薬の成分についての補足
漢方薬といえば、『ツムラ』が主流です。
市販薬にも、『ツムラ』と、『クラシエ』その他数種類のメーカーがあります。
妊娠を目指している方、むくみや汗が気になる方には、『クラシエ』をお勧めして下さい。
☆朮(ジュツ):ツムラは蒼朮(ソウジュツ)、クラシエは白朮(ビャクジュツ)を採用しています。
妊娠、出産に効果を発揮するのは、白朮です。意外にも知らない人が多い"朮"の種類です。お客様にもお伝えすることで、安心感も深まります。
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