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登録販売者に必要な外部研修とは? どうやって受けるの??
外部研修の概要
登録販売者の外部研修の受講は、「薬局並びに店舗販売業及び配置販売業の業務を行う体制を定める省令」に明記されています。
厚生労働省が定めた「登録販売者の資質の向上のための外部研修に関するガイドライン」は、薬局開設者並びに店舗販売業者及び配置販売業者が実施しなければならない登録販売者に対する研修の内容等をガイドラインとして示したものです。
外部研修の目的は登録販売者に対する一定水準の研修を確保し、登録販売者の質の向上を図るためとなっています。
受講対象者は「一般用医薬品の販売に従事するすべての登録販売者」であり、研修中の登録販売者も含みます。
受講が必要な研修時間は、年間12時間以上。通常は集合研修にて行われています。(集合研修とE-learning等を組み合わせて行う場合は、必ず集合研修の実施時間がE-learning等の実施時間を上回ること)基本的には以下のような組み合わせで実施されています。
- 集合研修1日6時間×2回受講
- 集合研修1日6時間+E-learning等6時間分
※2020年度は新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴って実施方法が変更されていますので、ご注意ください。
部研修の内容
気になる研修内容は、以下のとおりです。
- 医薬品に共通する特性と基本的な知識
- 人体の働きと医薬品
- 主な一般用医薬品とその作用
- 薬事に関する法規と制度
- 一般用医薬品の適正使用と安全対策
- リスク区分等の変更があった医薬品
- その他登録販売者として求められる理念、倫理、関連法規等
上記の①~⑦の内容を含めた研修を行うことが定められています。
いずれも登録販売者としては、知っておかなければいけない内容ばかりで、登録販売者試験範囲とほとんど変わりません。
身につけた知識の更なる定着と忘れてしまった知識の再確認、新たな医薬品情報の習得が期待できます。
外部研修受講の流れと修了条件
ドラッグストアなどの企業で働いている場合、外部研修の受講に関して会社側より案内されることがあります。
外部研修は主に民間の研修期間が実施しているため、会社側で取りまとめて申し込みを行うのです。企業で働いていない場合に受講を希望する際は、個人で研修実施機関を探して申し込むことになります。
集合研修は6時間ほどの研修を一日で受講します。特にスーツ等で参加しなければいけないといった決まりはありませんが、カジュアルすぎる服装だと少し違和感があるかもしれません。
集合研修の最後には1時間程度の認定試験が実施されます。研修内容をしっかりと聞いておけば回答できる試験で、登録販売者試験と似たようなものとなります。
試験終了後はその場で採点を実施し、回収されます。研修修了時に、当該研修の参加証明書を受け取ることができます。
E-learningの場合は、自宅等でパソコンやスマートデバイスを使用しての受講が可能です。集合研修と同様に研修6時間分の内容として、テキスト等が配信される仕組みです。
最後は受講証明テスト問題があり、テストに合格してはじめて6時間分の研修受講が修了することになり、電子データで修了証明が発行されます。
集合研修、E-learningいずれの場合も修了証明書は必ず保管しておいてください。必要に応じて会社から提出を求められることもあります。
登録販売者資格は持っているが、医薬品販売に従事していない場合
気になるのは、登録販売者資格を持っている人全員が受講しなければいけないのかどうか。結論を言うと、そうではありません。資格は取得したけれど、医薬品販売に従事していない場合は、研修受講の義務は発生しません。
というのも、外部研修への参加義務は「薬局開設者並びに店舗販売業者及び配置販売業者」に対して課せられた義務。外部研修は、企業側が雇った登録販売者に対して、受講させなければならないものなのです。
ただし、登録販売者資格を持っていても、その知識を使わなければ忘れていくものです。医薬品知識の定着や、新しい情報のキャッチアップのためにも個人的に外部研修の参加することを検討してみてはいかがでしょうか。
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