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今さら聞けない塗り薬の使い方! ステロイドと保湿剤の使い分けって?
そもそも保湿剤ってなに?
保湿剤は肌にうるおいをもたせたり、肌の保護をしたりする効果をもつ医薬品・化粧品です。主な有効成分としては、保湿効果に優れているヘパリン類似物質含有製剤、被膜性が高いワセリン、角質を柔らかくする作用をもつ尿素製剤が主流です。
その他にも市販薬としてハンドクリームやベビーローションなど様々な種類が展開されていますが、皮膚が弱い方やかさつきがひどい方などはできる限り医療機関を受診するか、添加物が少ない商品を選択した方が良いと考えられます。
ステロイドってなに?
ステロイドとはもともと体内で作られているホルモンの一種で、これを医薬品化したものをステロイド薬と呼んでいます。内服薬や注射薬もありますが、塗り薬としては小さいお子さんをもつ方や、皮膚が弱い方などは病院に受診した際に処方されることがあるため身近な存在かと思います。
このステロイド外用薬は塗った部分の炎症を抑える作用があるため、湿疹などによく使用されます。しかし、ステロイドと聞くと「危ない」「あんまり使用しない方が良い」というイメージをもっている方も多くいらっしゃるかと思います。
実際きちんとした使い方をしないと、悪化してしまったり、皮膚が委縮してしまったりと副作用が起きてしまう可能性があります。しかし、きちんと使用すれば短期間できれいに治すことも可能な医薬品です。
軟膏とクリームってどう違うの?
普段市販の塗り薬を購入しようとした時に、同じシリーズでも軟膏だったりクリームだったり種類が多いとどれを選ぶべきか悩むことがあるかと思います。
お客様でも悩んでご質問される方もいらっしゃるのではないでしょうか。
軟膏:皮膚の保護作用があり、刺激性も低い分べたつきやすく洗い流しにくい
クリーム:べたつきが少なく、洗い流しやすい
また、スプレータイプは広範囲に使用しやすく、ローションタイプは延びが良いため使用感にも優れているといった特徴があります。
それぞれ特徴があり、どのように使用したいか、どこに使用したいかによって選択してみるのも一つの方法です。
塗る量の目安ってあるの?
まず塗る場所の範囲がどの程度かにもよりますが、多すぎても少なすぎてもよくないため、適切な量を使用する必要があります。
目安量として、塗り薬の容器穴の直径が約5mm程度の場合、人差し指の先から第一関節までの量で約0.5g、おとなの手のひら二枚分と言われています。1FTU(ワンフィンガーチップユニット)と言われることが多く、塗り薬を使用する上での目安量の表現としてよく使われます。
またローションタイプの商品は手のひらに出した時1円玉大の量が同じ量だと言われております。
目安量だけではわかりにくい場合は、塗布した部分にティッシュを軽く当てて、ティッシュが落ちない量が適切な量だと言われております。(長時間当ててしまうと塗り薬の効果が薄れてしまう可能性があるため注意して下さい)
また保湿剤の場合は正しく、適切な量で塗ることが大切ですが毎日継続することも重要になってきますので、お風呂上がりにすぐ塗る等決めてしまうと忘れないかと思います。
ステロイドを塗布する場合は、健康な肌へは塗らず、症状が出ている部位のみ使用しましょう。
ステロイドと保湿剤ってどう使い分けるのがいい?
湿疹や皮膚炎などの肌トラブルの場合、乾燥が原因で起こってしまっていることも多く、どちらを塗れば良いかわからない場合も多いかと思います。
結果的には両方同時に使用しても問題ありません。保湿剤は毎日使用し、悪化してしまった部分のみ短期間ステロイドを塗るという方法が一番望ましいと考えられます。
市販のステロイドを使用する場合は5~6日程度使用し、改善しない場合は受診の目安になります。
ステロイドは刺激が与えられることで悪化してしまう可能性があるため、強くすりこまないように塗ることが大切です。
しかし、いくら正しく使用出来ていても、良くならなければ意味がありませんし、逆に副作用が出てしまう可能性があります。症状が改善しない場合は一度皮膚科などで専門の医師に診て頂くことが望ましいです。
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