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解熱鎮痛薬の違い! アセトアミノフェンとNSAIDsの使い分けって??
そもそも解熱鎮痛薬って?
「解熱鎮痛薬」という言葉がよく飛び交っていますが、解熱と鎮痛の関係とは何でしょうか。
なぜアセトアミノフェンやNSAIDsが発熱と痛みの両方に効くのでしょうか。まずは、発熱と痛みが起こる仕組みを簡単におさらいしましょう。
発熱は脳内のプロスタグランジンの増加が体温の基準を上げる(平熱を上げる)ことで起こります。
例えば、平熱が36℃の方の体温基準が38℃になってしまったとき、そのギャップに寒気を感じ、その基準まで体温を上げる為に体(筋肉)が震えます。
痛みに関しては、プロスタグランジンの増加によって痛みや熱、腫れ(炎症)が起きることに起因します。
難しいことは省いて説明しましたが、ポイントは、どちらもプロスタグランジンの産生が関係している点です。
つまり、解熱鎮痛薬とはプロスタグランジンの産生を抑制する薬だと言うことができると思います。
NSIADsの作用とは?
NSAIDsとは、Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs(非ステロイド性抗炎症薬)の略語です。市販の解熱鎮痛薬に配合されているのは、主にイブプロフェンやロキソプロフェンかと思います。
これらの薬は、アラキドン酸カスケードのシクロオキシゲナーゼを阻害することでプロスタグランジンの産生を抑制し、解熱や鎮痛、抗炎症作用を発揮します。
NSAIDsの副作用もこのシクロオキシゲナーゼを阻害することに起因し、胃が荒れる等の副作用が起きます。
アセトアミノフェンの作用とは?
アセトアミノフェンの作用機序は、脳内におけるシクロオキシゲナーゼの阻害だと考えられていますが、実はまだ詳しい作用機序は解明されていません。
また、アセトアミノフェンの抗炎症作用は弱いとされ、NSAIDsにも分類されていない薬となっています。副作用に関しては、NSAIDsで起こりうる胃腸障害や腎障害は起こりにくくなっています。
しかし、アセトアミノフェンの副作用で有名なものは肝障害なので、覚えておきましょう。
子供への使用は可能?
NSAIDs含有の市販薬は、12歳または15歳未満には服用させないよう注意している商品が多いと思います。これは子供では重大な副作用(ライ症候群)がでる可能性がある為です。
一方で、アセトアミノフェン含有の風邪薬、解熱鎮痛薬は子供にも使えるという文言が書いてあると思います。
医療用の薬で「カロナール」という名前を聞いたことがあると思いますが、カロナールの成分はアセトアミノフェンであり子供が熱を出した時などによく処方されます。
ただし副作用が比較的すくないアセトアミノフェンですが、前述したように肝障害という副作用がありますので、基本的には市販薬のパッケージに書いてある年齢制限や用法用量を守って頂くようにお伝えしましょう。
妊娠中や授乳中の使用は大丈夫?
解熱鎮痛薬を販売する際に妊娠中や授乳中だと伺った場合は、店舗の薬剤師に相談できる場合は相談したほうが良いです。
授乳中や妊娠中の使用は「安全or危険」などすぐに白黒できる問題ではなく、その方の妊娠の状態や病歴、併用薬、週数、授乳回数やタイミングも考慮する必要があります。
その為、もしかかりつけの医師がいるのであれば、その医師に服用可能かどうか伺うようにしてもらうと良いです。
アセトアミノフェンとNSAIDs含有の商品を紹介する時の例
ここまでは少し学術的なお話をしてきましたが、実際にはどのようにご案内すべきなのでしょうか。具体例を挙げてみていきましょう。
「お客様A(27歳)は鼻水や鼻づまりの症状と38℃の発熱を感じている。喉への違和感はなく、頭痛もなし。仕事が忙しく病院にも行けない為、熱を下げつつ鼻水も止めて、すこしでもゆっくり眠りたいと考えている。持病はないが、胃が弱い様子。併用薬はなし。」
このような背景をもったお客様がいらっしゃった場合、どのような商品をお勧めしますか?
まず、今回のテーマである解熱鎮痛成分に関しては、胃が荒れる可能性が低いアセトアミノフェンが良いと思います。
喉の痛みや頭痛があり、その痛みをどうにかしたいという場合にはNSAIDsの選択もありだと思いますが、食後服用をしっかり守るようにお伝えしましょう。
それ以外には、仕事が忙しいのであれば1日2回服用の商品で、睡眠に関して訴えがあるのでノンカフェインの商品が良いと思います。
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