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プラセボ効果ってなに? 販売時の接客にも関わるその効果とは?
そもそもプラセボってなに?
プラセボはニセの薬と書いて偽薬(ぎやく)と訳されることが多く、その名の通り有効成分が入っていない薬に似せて作ったものです。
見た目は薬と何も変わらず、見分けがつかない錠剤や粉状のものが多く、効き目がない乳糖やデンプンなどで出来ていることが多いです。
そもそもなぜこのようなものが出来たかと言うと、もともとプラセボは薬が承認される過程での臨床試験で使われるもので、承認したい薬とこのプラセボを比べることで症状が本当に改善したかどうかをみます。
厳しい試験では、臨床試験での患者さんだけでなく医師などの医療従事者もどちらが本物の薬かわからない状態で試験を行うこともあります。
ここまでのお話だと、登録販売者には関係ないのでは?と思うかと思いますが、このあと出てくる『プラセボ効果』が接客上とても大切になってくるため、もう少し読み進めてみて頂けると幸いです。
プラセボ効果とは?
本来であれば薬として有効ではないプラセボを服用して得られる効果のことを言います。有効成分が入っていない薬を本物だと思って飲むことで効果が出ることはよくあることです。
逆に副作用が出てしまうこともあります。これは、人への暗示効果や期待することから起きる効果など様々な要因によって起こると考えられています。
最近では、薬以外の食べ物や飲み物などで起こることもプラセボ効果と呼ぶ場合があります。口コミが良いから、この有名人が使っているからといった情報によっても効果は変わってくると考えられます。
つまり、周りからの情報によって使う本人がどう思い込むかで効果が変わってくることもあります。
現場でどう使う?
ここまででプラセボ効果がどういうことなのか、ご理解頂けたかと思います。
では、実際に接客の時にどう絡んでくるのでしょうか。
例えば、化粧水を探している方に対して①か②の接客をするとします。
- この化粧水は○○ランキングで1位になっただけでなく、有名人の▲▲さんも使用していて、乾燥肌の方も1週間で改善すると口コミも良くとてもオススメです。
- 乾燥肌の方にオススメで、当店でも売れていてとてもオススメです。
こちらの文章を読んで、どちらのほうが効果がありそうだと思いますか? ②だとなんとなく店側が売りたいだけかな?と思ってしまうお客様も多いかもしれません。
医薬品ではランキングや有名人が使っているという表現はしないと思いますが、登録販売者であるあなたが「なぜこの医薬品は効くのか」「なぜオススメできるのか」をしっかり伝えてあげることで、お客様が実感する効果は大きく変わってくるかと思います。
もちろん、売り文句だけでなく、科学的事実に基づいた説明をしましょう。薬事法に違反する過度な表現にも気を付ける必要があります。
具体的に気を付けたいのは、サプリメントや健康食品などです。例えば、サプリメントを売る際に「これを飲めば〇〇のビタミンが肌の新陳代謝を上げることから、お客様の悩んでいる湿疹に効果があります」と説明しても良いでしょうか?
答えはNoです。「〇〇のビタミンが肌の新陳代謝を上げる」というのは科学的事実に基づいているかもしれませんが、サプリメントは食品であり、特定の症状に効果があるという断言的な表現をしてはいけません。すなわち、これはプラセボ効果というよりは「誇大広告」になってしまうので気を付けてください。
接客例
最後に医薬品販売の際のプラセボ効果を狙った①と②の接客例をみてみましょう。
- お客様「夏風邪を引いてしまって。何かよい総合感冒薬はありますか? 商品があり過ぎてよく分からないんです。」
- 登録販売者「そうですね。少し値段は上がってしまいますが、こちらの商品はいかがですか? こちらの商品ともう一つ名前の似た商品がありますが、こちらに(トル)はビタミンBが入っている商品になります。ビタミンBは免疫力を上げることをサポートしてくれますが、水溶性ビタミンなので汗と一緒に流れでてしまいます。そのため、夏風邪を引いてしまったお客様にはこちらの商品が最適だと思います。いかがでしょうか。」
- お客様「夏風邪を引いてしまって。何かよい総合感冒薬はありますか? 商品があり過ぎてよく分からないんです。」
- 登録販売者「そうですね。この商品はいかがでしょうか。もう一つ名前の似た商品より値段はあがりますが、こちらはビタミンBが入っています。あとはお客様の好みの問題になりますが、いかがでしょうか。」
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