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のど飴って本当に効果あるの? 販売する時にもお伝えしやすい+αの豆知識
のど飴の種類/分類
実は、「・・・が含まれていたら、のど飴」という明確な定義はありません。しかし、のど飴には大きく分けて食品と医薬部外品、医薬品が存在します。
医薬品ののど飴には現在、指定又は第2類医薬品、そして第3類医薬品が存在しています。これらの商品は登録販売者や薬剤師が居ないと購入できない為、食品スーパーには置いていないと思います。
しかし、ドラッグストア等ではすべての分類ののど飴が取り扱われている可能性が高い為、それぞれの分類とその見分け方を覚えておきましょう。
分類の見分け方
では、ドラッグストアではどのようにのど飴の分類を見分けたら良いのでしょうか。まずは医薬品陳列のルールを考えてみましょう。
医薬品は食品や医薬部外品と(位置を)混ぜて陳列することはない為、いわゆるスーパーで見かけるのど飴を陳列している場所には、医薬品ののど飴が置いていないと思います。
一つの理由として、薬剤師や登録販売者が不在の場合は医薬品売り場を閉鎖しなければならない為です。よって、医薬品として分類されるのど飴は、総合感冒薬のコーナーに陳列されることが多いです。
また医薬品の陳列場所はレジからの距離が決まっているため、レジの前や隣に陳列されていることもあります。
また、手に取って見分ける際の簡単な方法としては、商品のパッケージを見てみることです。医薬品と医薬部外品の場合は有効成分の表示が義務付けられています。
のど飴(食品)
お菓子の一種であり、効能効果は認められていません。ただし、そのラインナップの多さから様々な味を試すことができ、口内や気分をリフレッシュすることができます。
のど飴(医薬部外品)
医薬部外品は、医薬品と比べると効果が穏やかで副作用が少なくなっています。国から製造許可をもらう必要がありますが、販売許可は不必要であるためコンビニやスーパーなど薬剤師や登録販売者が居ない場所でも販売が可能です。
のど飴(医薬品)
先ほど、医薬品ののど飴には「指定第2類医薬品」、「第2類医薬品」、「第3類医薬品」が存在するとお話しました。この分類は「リスク分類」であり「効果の強さ」ではないことを念押ししておきます。
ただし、医薬部外品と比べると効果が高いと言って良いでしょう。つまり、症状が辛い場合は医薬部外品ではなく医薬品ののど飴をご案内すると良いと思います。
また医薬品ののど飴の中でも、咳に特化したものや鼻水に特化したもの等があるので、一つずつ商品を確認しておくと良いでしょう。
のど飴に含まれる成分の種類
よく含有されている成分と、医薬部外品や医薬品にあたってはその効果を記載していきたいと思います。
のど飴(食品)
マヌカハニーやキシリトールなど様々
のど飴(医薬部外品)
- セチルピリジニウム塩化物水和物: 口腔内を殺菌または消毒
- グリチルリチン酸二カリウム:抗炎症作用
- キキョウ根エキス:去痰作用、抗炎症作用
- カンゾウエキス:抗炎症作用
- ソヨウ流エキス:抗炎症作用
のど飴(医薬品)
- キキョウ根エキス:去痰作用、抗炎症作用
- トコンエキス:気道粘液分泌の促進
- マオウエキス:気管支拡張、鎮咳作用
- ニンジンエキス:去痰作用
- dl -メチルエフェドリン塩酸塩:気管支拡張、鎮咳作用
- クレゾールスルホン酸カリウム:去痰作用
- セチルピリジニウム塩化物水和物: 口腔内を殺菌または消毒
- クレマスチンフマル酸塩:抗アレルギー作用→咳や鼻水を抑える
- ブロムヘキシン塩酸塩:去痰作用
- ジヒドロコデインリン酸塩:鎮咳作用
- ノスカピン:鎮咳作用
- カンゾウ乾燥エキス:抗炎症作用
- セネガ乾燥エキス:鎮咳作用、去痰作用
接客例
お客様「すみません。最近少しのどがイガイガするのですが、どれが良いのでしょうか。」
登録販売者「咳や痰が絡むといった症状もございますか?」
お客様「あります」
登録販売者「それでしたら、こちらの内服薬はどうでしょう?大人の方ですと、1日6錠 1日3回服用してください。」
お客様「1日3回で6錠か。薬を飲むのはどうも苦手で、すぐ忘れてしまうんですよね。」
登録販売者「そうですか、ではこちらののど飴はいかがですか?のど飴といっても医薬品であり、しっかり咳止めや痰を出しやすくしてくれる成分等も配合されています。こちらでしたら、鞄に入れておいて通勤や帰宅の最中に舐めることができるのではないでしょうか」
お客様「それなら思い出した時にすぐ使えるね! それで様子を見てみよう。ありがとうございました。」
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