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どれが一番お勧め?ボラギノールシリーズの特徴と使い分けについて

痔に良く効く薬と言えば真っ先にボラギノールシリーズを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。ボラギノールシリーズにはボラギノールA、ボラギノールM、内服ボラギノールEPの3種類があり、剤型も坐剤、軟膏、注入軟膏、内服用顆粒と複数の種類があります。今回の記事ではボラギノールシリーズの特徴と使い分けについて簡潔に解説したいと思います。

ボラギノールの剤型(坐剤、軟膏、注入軟膏)の使い分け

外用タイプのボラギノールには坐剤、軟膏、注入軟膏の3つの剤型があります。これらは主に痔疾患の部位によって使い分けられますので、大まかに以下の特徴を覚えておくと良いでしょう。

【坐剤】
肛門の内側の痔(切れ痔やいぼ痔)に適した剤型です。坐薬とも呼ばれ、半固形状をした薬を直接肛門に挿入するため、人よっては使い方がやや難しい場合もあります。挿入しにくい場合は少量のワセリンを塗ると入れやすくなります。

【軟膏】
肛門の外側の痔(切れ痔やいぼ痔)に適した剤型です。軟膏タイプのボラギノールは塗り薬によく見られる形のチューブに詰められています。使い方は簡単ですが、欠点としては肛門の奥深くに使い辛い点が挙げられます。

【注入軟膏】
先端が細く伸びた独特の形状をした容器に詰められており、肛門内部に直接注入することを想定した作りになっています。また、注入軟膏は肛門内部だけではなく、通常の軟膏と同じように肛門の外側にも使うことができます。一回使い切りのタイプとなっている点も衛生上のメリットと言えます。

ボラギノールAとボラギノールMの違い

ここでは、外用タイプのボラギノールAとボラギノールMの特徴について解説いたします。

ボラギノールAの成分

ボラギノールAには坐剤、軟膏、注入軟膏の3つの剤型が発売されており、プレドニゾロン酢酸エステル(抗炎症作用)、リドカイン(痛み・かゆみの改善)、アラントイン(組織の修復を促進)、ビタミンE酢酸エステル(末梢の血液循環改善)の4つの有効成分が含まれています。

ボラギノールMの成分

ボラギノールMには坐剤と軟膏の2つの剤型が発売されており、グリチルレチン酸(抗炎症作用)、リドカイン(痛み・かゆみの改善)、アラントイン(組織の修復を促進)、ビタミンE酢酸エステル(末梢の血液循環改善)の4つの有効成分が含まれています。

ボラギノールAとボラギノールMの一番の違いは?

ボラギノールAは抗炎症成分としてステロイドのプレドニゾロン酢酸エステルを含んでいます。これに対して、ボラギノールMに含まれる抗炎症成分はグリチルレチン酸です。抗炎症作用の強さについては、プレドニゾロン酢酸エステル>グリチルレチン酸となりますので、患部の炎症や腫れがひどい方にはボラギノールAが適すると言えます。また、ボラギノールAにはボラギノールMにはない注入軟膏の剤型があります。

このため、患部が肛門の内側と外側の両方に広がっている方にもボラギノールA(注入軟膏タイプ)がお勧めです。一方で、ステロイドの使用に抵抗がある方、患部が化膿している方(ステロイドは免疫力を低下させます)、長期に渡ってボラギノールを使用される方にはステロイドを含まないボラギノールMがお勧めと言えます。

内服ボラギノールEPはこんなタイプのお客様にお勧め

内服ボラギノールEPは有効成分として3種類の生薬とビタミンEを含んでおり、体の内側からゆっくりと痔を治療するタイプの薬です。このため、内服ボラギノールEPは痔の症状がそれほどひどくない方、坐剤や塗り薬の使用に抵抗のある方などにお勧めのお薬と言えます。

このようにボラギノールシリーズには様々な特徴や使い分けのポイントがあることがお分かりいただけたことと思います。痔は他人に話し辛い深刻な悩みのため、お客様も勇気を出して登録販売者さんに相談されています。こうした期待に応えるためにも、上記のポイントを踏まえたうえでお客様の症状や訴えに合わせたベストな一品をお勧めできるようになれるといいですね。

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