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コロナ感染症で注目されている、循環器系の過去問を解説!
問65 循環器系に関する記述について、正しいものはどれか。
- 血管系は心臓を中心とする閉鎖循環系であるのに対し、リンパ系は開放循環系である。
- 心臓の右側部分(右心房、右心室)は、全身から集まってきた血液を肺 へ送り出し、肺でガス交換が行われた血液は、心臓の左側部分(左心房、 左心室)に入り、全身に送り出される。
- 血管壁にかかる圧力を血圧といい、主に血管が収縮したときの血圧を最大血圧という。
- 動脈やリンパ管には、逆流防止のための弁がある。
ヒント 1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)
https://www.pref.kyoto.jp/yakumu/documents/h30mondaigogo.pdfより一部改変して抜粋
解説
a 血管系は心臓を中心とする閉鎖循環系であるのに対し、リンパ系は開放循環系である。
→〇
リンパ系とは
リンパ系とはリンパ液が流れる体内の導管ネットワークのことであり、リンパ管やリンパ節、リンパ組織のことを意味します。
リンパ管はその導管を意味し、リンパ節はフィルターのような役割をすることでリンパ系に入った細菌や異物等を取り除く(免疫反応が起こる)働きがあります。
リンパ組織とは、簡単に言うと身体の免疫システムを担っている場所(免疫応答するリンパ球が居る場所)です。
閉鎖循環系と開放循環系とは
私達の血管は毛細血管で動脈と静脈が繋がっており、輪になって循環を繰り返しています。
つまり、基本的に外界との接触はなく「心臓→動脈→静脈→心臓」と終わりなく循環していますので「閉鎖循環系」と呼びます。
しかし、リンパ管に関しては管の始まりの部分が手足にあります。血管と違い循環しているわけではないので(求心路のみで最終的に静脈に合流する)、「開放循環系」と呼ばれます。
b 心臓の右側部分(右心房、右心室)は、全身から集まってきた血液を肺 へ送り出し、肺でガス交換が行われた血液は、心臓の左側部分(左心房、 左心室)に入り、全身に送り出される。
→〇
この問題は記述の通りだとお伝えしたほうが、覚えやすいと思います。「右から左」と覚えておくとシンプルでしょう。ちなみに、心臓の構造の話をすると、心房が上で心室は下です。
c 血管壁にかかる圧力を血圧といい、主に血管が収縮したときの血圧を最大血圧という。
→×
血圧とは、血液が、限られた血管というスペース内を血流として流れることで生じる、血管の壁にかかる圧力である。血圧は動脈血圧、毛細血管血圧、静脈血圧などに分類されるが、通常の血圧は動脈血圧をさす。
大動脈、小動脈、細動脈と末梢(まっしょう)に行くほど血圧は低くなり、静脈血圧は0である。
心臓が収縮した時にかかる血管壁にかかる圧力を収縮期血圧(最高血圧)と呼び、拡張した際の圧力を拡張期血圧(最低血圧)と呼ぶ。
d 動脈やリンパ管には、逆流防止のための弁がある。
→×
動脈と静脈の違い
心臓からの拍出された血液を末梢まで運ぶ働きをしているのが動脈です。動脈は心臓というポンプから常に血液が送られてくるため、その血流と圧力に耐えられる構造である必要があります。
そのため、動脈は平滑筋や弾性線維に富み、伸縮性や弾力性があります。また、たとえ血圧が減っても血管の丸い形が保てるようになっています。
一方、静脈では毛細血管で末梢組織に酸素や栄養を運搬し終わった血液が、後から来る血液に押されて流れています。
よって、静脈は血管の伸縮性があまり必要がなく、平滑筋が少なく弾力性に乏しくなっています。また、皮膚表面の静脈は指で圧迫することで血流を止めることもできるほど、血管壁が薄くなっています。
脚を想像すると分かり易いかもしれませんが、足先まで到達した血液は静脈を通って心臓に戻っていきます。
逆流する可能性があるのは容易に想像がつくでしょう。しかし、静脈には逆流を防止する「弁」がついているため、逆流は防がれます。
リンパ管は先ほど説明したように、循環しているわけではなく、求心路のみで最終的に静脈に合流します。よって、弁はありません。
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