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【ちょっと息抜き】ヨーロッパで販売されているOTC医薬品を見てみよう
一般用医薬品の販売の仕方
ヨーロッパで市販されている医薬品を紹介する前に、まず国によって一般用医薬品に関連する制度は異なっていることを理解しましょう。
例えば、ご存知の通り、日本の一般用医薬品は要指導医薬品、第一類、第二類(指定第二類も含む)、第三類、医薬部外品などと医薬品のリスクによって分類が分かれています。
ヨーロッパでは、全体として「処方箋が必要な医薬品」と「必要でない医薬品」を分類する為のガイドラインが存在し、細かな分類は国によって異なっています。販売者に関しても、薬剤師しか医薬品を販売できない国もあれば、一般用医薬品の種類によっては登録販売者のような訓練された販売員が売れる国もあります。
日本では市販で売っていない強力な鎮痛薬
Nurofen Plus Tabletsという一般用医薬品があるのですが、これはなんの成分が含まれているか予想がつきますか?
実は、これはCODEINE PHOSPHATE(コデインリン酸塩)が12. 8mgとイブプロフェンが200mg含まれています。日本でコデインリン酸塩といえば、5mgの錠剤は非麻薬として扱われますが、20mgの錠剤は麻薬として扱われています。また、どちらも医療用医薬品ですので、必ず処方箋が必要です。
しかし、Nurofen Plus Tabletsは6、12、24 錠入りまでであれば一般用医薬品として処方箋不要で購入が可能です。
また、次はNurofen Plus Tabletsの用法用量を確認しましょう。英語の勉強もかねて、Summary of Product Characteristics (日本の添付文書と同等のもの)から一部改変して抜粋します。
Initially two tablets, then if necessary one or two tablets every 6 hours.
The maximum daily dose should not exceed 6 tablets in 24 hours.
The duration of treatment should be limited to 3 days.
どうでしょうか。
一回2錠から開始し、必要であれば6時間おきに1~2錠追加可能。
1日最大量として、24時間以内に6錠を超えて服用しないこと。
3日以上の漫然投与を行わないこと。」
と書かれています。
日本のコデインリン酸塩錠20mg(麻薬性鎮痛薬)の添付文書をみると、
「通常、成人には、コデインリン酸塩水和物として、1回20mg、1日60mgを経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。」
と書かれていますので、Nurofen Plus Tabletsのほうが一回のコデインの量が多いですね!!
これを一般の方の自己判断で服用できる(販売時にしっかりと医療従事者から説明はあると思いますが)のはすごいです。
日本では、何かあった場合はすべてメーカーや国、販売者等の責任になりそうですが、ヨーロッパでは購入者(患者)の自己責任という部分も大きい気がします。文化の違いでしょうか。
もしいつかヨーロッパへ旅行された際に、コデイン含有の鎮痛薬を購入する場合はご注意ください。
ロキソニンは変えない? ヨーロッパの方が好む解熱鎮痛薬とは
では、次に通常の鎮痛薬をご紹介します。日本では痛み止めというとロキソニンを購入される方が多いという印象ではないでしょうか。しかし、ロキソプロフェンという成分が入った医薬品は、ヨーロッパでは見たことがありません。アメリカでもそうですが、イブプロフェンとアセトアミノフェンが主流です。
ここで、ドラッグストアで働いていて外国人対応をしたことがある人に考えて頂きたいのですが、彼らはアセトアミノフェンのことをなんと呼んでいますか?
アセトアミノフェンのもうひとつの呼び方、パラセタモールだと思います。商品名でいくとタイレノールも主流なので、タイレノールで通じる方もいます(タイレノールは日本でも販売しています)。
ヨーロッパでは同じくアセトアミノフェンが主流ですが、主流な商品名は「パナドール」です。この商品は日本にはないのではないかと思います。もし、将来外国人対応をする際に、「パラセタモール」でも「タイレノール」でも通じない時は「パナドール」と伝えてみてください。
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