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登録販売者、採用の現場から

エナジードリンクと栄養ドリンクの違いは? 目的にあわせて選びたい栄養ドリンクの成分ポイント

コンビニやドラッグストア等でいつでも手軽に購入できるエナジードリンクや栄養ドリンク。なにかと忙しい日々を送っている現代人にとって、欠かせないものとなりつつありますが、エナジードリンクと栄養ドリンクの違いはなにか理解していますか? 今回は、エナジードリンクと栄養ドリンク違いや、栄養ドリンクに含まれる成分について考えてみましょう。  

エナジードリンク

レッドブルやモンスターなどが有名なエナジードリンク。日本では「清涼飲料水」として販売されています。製品によって違いもありますが、多くはカフェインやアルギニン、ナイアシンといった成分が含まれています。清涼飲料水であるため、効能効果を謳うことはできません。また、成分配合量表示の義務もありません。

一般的なジュースなどの清涼飲料水と比べ、エナジードリンクはカフェインの含有量が多く、カフェインの刺激や炭酸でシャキッとリフレッシュ効果があるものが多いのが特徴です。含有物の規則があるわけではなく、エナジードリンクは特別栄養補給ができるものではないのです。

清涼飲料水であるエナジードリンクには、カフェインの含有基準は定められていません。そのため、エナジードリンクに含まれるカフェインは過剰摂取のリスクが高いと言われており、実際に日本においても死亡例も出ています(極端な例ではありますが…)。エナジードリンクに用法・用量は決められていませんが、1日に何本も飲むものではないと言えます。

栄養ドリンク

一方、栄養ドリンクは「医薬品・医薬部外品」として販売されています。医薬品・医薬部外品であるため、有効成分が配合されており、滋養強壮・肉体疲労・食欲不振などに対する効能効果を謳うことができます。

医薬品」として販売されているものは、病気の治療や予防の為に服用し、体の機能を改善するものであり、生薬の配合されたユンケルなどがあります。「医薬部外品」として販売されているものは、医薬品に比べてその作用が穏やかなもので、ビタミン等を中心に配合されているリポビタンなどがあります。

ビタミン剤等のサプリメントでも不足しがちな栄養成分の補給ができますが、ドリンクタイプだと成分の体内吸収が早いと言えます。そのため、即効性を期待する場合は、栄養ドリンクを飲んでみるのがオススメです。ただし、飲む前には用法・用量を必ず確認しましょう。

栄養ドリンクの成分

栄養ドリンクも多くの種類が販売されていますが、求める作用に合わせて有効成分の種類や含有量で選んでみましょう。

肉体疲労時の栄養補給が目的の場合は、ビタミンB1やアミノ酸が配合されたものがオススメです。滋養強壮が目的の場合は、タウリンや生薬などが配合されたものが良いでしょう。最近では、カロリーを抑えた商品も多く出ていますし、寝る前に飲む場合はカフェインが含まれているものを避けるなど、様々な観点から商品を選ぶことができます。

ビタミンB1

チアミンとも呼ばれる水溶性のビタミン。エネルギー代謝(特に糖質)に必要なビタミンで、不足していると倦怠感などを感じる場合があります。神経や筋肉の働きを助けて、肉体疲労・倦怠感・肩こり・眼精疲労などの症状を改善する作用があります。

ビタミンB2

リボフラビンとも呼ばれる水溶性のビタミン。エネルギー代謝(特に脂質)に必要なビタミンで、皮膚や粘膜、爪、髪の健康を保ち、肌荒れ、ニキビ、口内炎などの症状を改善する作用があります。

ビタミンB6

エネルギー代謝(特にタンパク質)に必要な水溶性のビタミン。ホルモンや神経伝達物質の合成、脂質代謝、免疫機能の維持や、皮膚や粘膜を正常に保つ働きがあり、手足のしびれや神経痛、肌荒れ、ニキビ、口内炎などの症状を改善する作用があります。

BCAA

ヒトが体内で作ることができない必須アミノ酸である、バリン、ロイシン、イソロイシンの総称。筋肉のエネルギー代謝や合成などに深く関わり、特にスポーツ後の栄養補給、疲労回復への効果が期待できます。

タウリン

アミノ酸の一種。体内では胆汁酸と結びつくことでコレステロールを消費してコレステロールを減らす、心臓や肝臓の機能を高める、視力の回復、インスリン分泌促進、高血圧の予防など、さまざまな作用があると言われています。栄養ドリンクにおいては、疲労軽減の効果が期待できます。

エナジードリンクも栄養ドリンクも「飲めば元気が出る」といったイメージが先行しており、あまり違いを意識して購入する方は少ないかもしれません。しかし、清涼飲料水であるエナジードリンクと、医薬品・医薬部外品である栄養ドリンクは似て非なるものです。また、栄養ドリンクは医薬品・医薬部外品であることから、登録販売者としては含有成分をきちんと理解しておくべきと言えます。まずは実際に製品を手に取って、ラベルに記載されている成分を確認してみましょう。

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