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【つらい痰や咳】気管支炎のお客様にお勧めの市販薬は?

「風邪を引いた後、熱や鼻症状は治まったのに咳と痰だけがなかなか治らない」このような相談を受けたことのある登録販売者さんはいらっしゃいませんか? 風邪を引いた後の長引く咳や痰は急性気管支炎の可能性があります。今回の記事では急性気管支炎の特徴やその症状に適した市販薬について解説したいと思います。

気管支炎の分類と特徴

気管支炎は気管支が炎症を起こし、咳や痰が長く続く状態を指します。気管支炎は症状が1週間~3か月程度で治まる急性気管支炎と、3か月以上続く慢性気管支炎とに分けられます。

慢性気管支炎の場合は通常、吸入薬などの処方箋医薬品による治療が必要となります。

このため、症状が3か月以上続いているというお客様には医療機関の受診をご案内してあげましょう。一方、急性気管支炎はウイルスや細菌などによって引き起こされますが、重症例でなければ自然に治癒することも多いため、市販薬で咳や痰の症状を抑えながらようすを見るという対処も可能です。OTC薬をお勧めするのは急性気管支炎のお客様が対象となります。

急性気管支炎にお勧めの市販薬は?

急性気管支炎は、免疫力によって自然治癒させることを基本としますが、つらい咳や痰の症状を抑えるためには市販薬が有効となることもあります。症状がひどく日常生活に支障をきたすというお客様には以下のようなお薬をお勧めしてあげると良いでしょう。

【第2類医薬品】「クラシエ」漢方麦門冬湯エキス顆粒SII

気管支炎に適用のある漢方薬です。原則として1歳以上から服用することができ、眠気などの副作用もありません。甘草(カンゾウ)を含んでいるので、他の甘草含有製剤との併用には注意が必要です。痰が切れにくく喉に絡むような症状に良く効きます。

【指定第2類医薬品】『パブロンSせき止め 24カプセル』大正製薬

痰を出しやすくするブロムヘキシン塩酸塩、咳を止めるジヒドロコデインリン酸塩とノスカピン、気管支を広げて呼吸を楽にするメチルエフェドリン塩酸塩などの成分を含んでおり、気管支炎の辛い症状に良く効きます。咳止めの効果は強めですが、眠気を催す可能性がある点には注意が必要です。また、ジヒドロコデインやメチルエフェドリン塩酸塩などは服用禁忌の疾患もあるので注意してください。

【第2類医薬品】『アネトンせき止め液』タケダ

液体タイプの咳止めで即効性が期待できます。直ちに症状を鎮めたい方や、会議前などここ一番という時に咳を止めたいお客様に向いています。ジヒドロコデインリン酸塩、メチルエフェドリン塩酸塩に加えて、アレルギーを原因とする咳を鎮めるクロルフェニラミンマレイン酸塩などが配合されています。ただし、眠気を催したり、服用禁忌の疾患があることには注意が必要になります。

急性気管支炎薬の服用に注意が必要になる方

急性気管支炎の薬のうち、以下の成分については服用に際してやや注意が必要になります。禁忌疾患や副作用のリスクには十分に気を付けてお客様に適切なご案内をしてあげるようにしましょう。

・コデインリン酸塩水和物(リン酸コデイン)

便秘のあるお客様は症状が悪化する可能性があるため、服用を避ける方が良いでしょう。

・dℓ-メチルエフェドリン塩酸塩

交感神経刺激作用があり、心機能、血圧、血糖値などに影響を与える可能性があります。これらの疾患のあるお客様には服用前に主治医の先生と相談することをお勧めしましょう。

・クロルフェニラミンマレイン酸塩

クロルフェニラミンマレイン酸塩などの第一世代の抗ヒスタミン成分は、緑内障や排尿障害(前立腺肥大)のある方には禁忌となっています。特に高齢のお客様にはこうした疾患のある方が多いので注意が必要です。

急性気管支炎には特効薬はなく、あくまでも咳・痰を抑えるといった対症療法が中心になります。上で紹介したようなお薬を服用しながら栄養や休養をしっかりと取り、自然治癒力によって疾患を治療するようにお客様にアドバイスしてあげると良いでしょう。個々のお客様の状況に合わせて適切な薬をご案内できるように、自分のお店の取扱商品の特徴をきちんと把握しておくことも大切になりますね。

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