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薬の服用や保管の仕方はこんなふうに間違われています
薬はすべて冷蔵庫で保管する?
登録販売者としては、「すべての薬を冷蔵庫で保管する必要はありません」「タッパーウェアなどで分類すれば、薬が混ざることはないですよ」とアドバイスするのもひとつの方法です。
薬の保管の三大原則は日光、高温、多湿を避けること。薬も食品ほどではありませんが、直射日光を受ける場所や温度が高い場所で保管すると変質します。また、湿気が多い場所ではカビが生えたり、水分により変質したりすることもあります。薬が変質すれば、効果が減弱するだけでなく、有害物質になる可能性も出てきます。
「それなら、薬の保管は冷蔵庫が一番いいんじゃないの?」と言われそうですが、じつはすべてがそうでもありません。粉薬、錠剤などビニール袋に入れ、冷蔵庫にしまうと結露などで逆に湿気を帯びてしまう可能性もあります。
したがって、処方薬、市販薬にかかわらず、保管について特別な記載がないかぎり、冷蔵庫に保管する必要はありません。温度変化の少ない場所で、缶や箱などに入れ、乾燥剤を添えて保管するのもよい方法です。
体温で溶けるように作られている座薬、目薬、液剤、インスリンなどは、冷蔵保管が望ましいのです。
食間服用は食事の途中で飲む?
「食間」とは食事中ではなく、食事と食事の間、つまり胃に何も入っていない時に飲む薬で、食事の2時間後を目安に内服してくださいと説明したそうですが、「何も食べずに薬を飲んだら、胃を傷めるでしょう。私は薬を飲む時は、無理をしてでも食べてきたのに」と納得できないようす。
お客さまの話は理解できますし、現在、使われている薬の多くは「食後」と指示されているものが圧倒的に多いので、もっともな疑問だと思います。
薬によっては食事により、吸収がよくなるものもあれば悪くなるものもあります。昔から使われてきた一部の鎮痛薬(「アスピリン」など)も、空腹時に服用すればよく効きますが、胃腸障害などの強い副作用の可能性も出てくるので、食後に内服してもらうようにしています。
お客さまのなかには、「薬で胃が荒れる」という知識がインプットされており、それが「薬はすべて、食べてから飲む」というように置き換えられたのでしょう。では、食間に飲む薬にはどのようなものがあるのでしょうか?
まず、胃の粘膜に直接働きかけて効果を出したい胃薬や、食事の影響を受けやすい薬、さらに、漢方薬も薬の吸収を良くするために食間と指示されるケースが多くなります。薬は飲むタイミングにより、その効果は異なります。
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