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一般医薬品でも起こりうる!登録販売者が知っておきたい4つの重篤副作用

医療用医薬品と比較すると副作用が少ないと言われる一般医薬品ですが、決して起こらないわけではありません。少し古い情報にはなりますが、2007年度から2011年度の5年間でも、一般医薬品による副作用は1,220症例が報告されています。(※厚生労働省発出/医薬品医療機器安全性情報No.293参照)登録販売者の方が実際に遭遇する可能性は高くないかもしれませんが、副作用は薬の専門家として知っておきたいものばかり。今回は一般医薬品でも起こりうる、4つの重篤な副作用について説明します。

死亡例もあり…スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS/皮膚粘膜眼症候群)

38℃以上の高熱や倦怠感を伴って、全身の皮膚や目、唇、外陰部等の粘膜部分に紅斑、びらん、水疱等の重篤な皮膚症状を呈します。重症化すると多臓器不全や敗血症を合併して、死に至ることも。

市販医薬品では総合感冒薬や解熱鎮痛薬での発症が報告されています。

初期症状としては、発熱と同時に目の変化(充血やまぶたの腫れ)、粘膜の異常(唇のただれ、のどの痛み、排尿・排便時の痛み)等がみられ、急激に悪化することもあります。

ほとんどは原因医薬品服用後、2週間以内に発症すると言われていますが、1ヶ月以上経ってからの発症例も報告されています。

発症しても気がついていないかも?薬剤性肝障害

食物をはじめ、様々な物質の代謝や解毒を行う臓器である肝臓ですが、医薬品が原因で炎症を引き起こすことがあります。

一般医薬品では、アセトアミノフェンを含有する総合感冒薬や、オウゴンを含有する漢方製剤での報告が多数です。それだけでなく、ウコンやクロレラを含有する健康食品やサプリメントでも発症することがあります。

初期症状としては、倦怠感や発熱、発疹、皮膚のかゆみ等がみられますが、自覚症状がなく、血液検査で初めて肝障害が発見されることも。

原因医薬品服用後、数時間以内で発症することもありますが、数ヶ月経ってから発症する例もありますので、特に漢方製剤やサプリメント等の長期服用には注意が必要です。

遭遇率高めのアスピリン喘息(喘息発作)

主に解熱鎮痛薬(非ステロイド性抗炎症薬:NSAIDsを含む医薬品)を服用した際に、鼻閉や強い喘息発作を引き起こすことがあります。

以下は発症リスクが高い方の特徴です。

  • 成人になってから喘息を発症した方(その中でも中等症以上の喘息を持つ方)
  • 慢性副鼻腔炎や鼻ポリープ(鼻茸)を持つ方
  • 嗅覚低下、嗅覚異常を持つ方

「アスピリン」という名がついていますが、NSAIDsを含む医薬品ならいずれも発症する恐れがあります。

解熱鎮痛薬だけではなく総合感冒薬にもNSAIDsが含まれている場合がありますので、含有成分を確認しておくとよいでしょう。

いつ発症するかわからない!アナフィラキシーショック

アナフィラキシーは即時型アレルギー反応の一種で、蕁麻疹や腹痛、呼吸困難等の多くの症状を呈します。その中でも、急激に血圧が低下して生命にかかわるようなショック状態となるのがアナフィラキシーショックです。

食物アレルギーやハチに刺されることによってアナフィラキシーが引き起こされるのはよく知られていますが、医薬品が原因となることも少なくありません。

過去に服用して全く問題のなかった医薬品でもアナフィラキシーを引き起こすこともあります。絶対にアナフィラキシーを引き起こさない、と断言できる医薬品は存在しないのです。

医薬品服用後に蕁麻疹や皮膚の痒み、呼吸のしづらさ、めまい等が生じた場合は、直ちに医療機関を受診するよう、アドバイスしましょう。

一般医薬品であっても、重篤な副作用発現には常に注意を払わなければいけません。副作用は「早期発見・早期対応」がとても大切。特に初期症状を見逃してしまうのはかなり危険。副作用をきちんと理解すれば、無駄に怖がることもありません。薬と上手く付き合って、薬の適正使用を促進していきましょう。

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