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現場で役立つ季節の健康ネタ

苦みと酸味は大人の味?~身体を目覚めさせる春の野菜~

春野菜といえば、どんなイメージを持たれるでしょうか?「春の皿には苦味を盛れ」という言葉があるように、春の野菜にはあくが強いものが多く、山菜などには苦味があるものが多いです。

季節の野菜で体調管理

春野菜特有の苦味には、解毒作用や新陳代謝を促進する作用があると言われます。独特の苦味や香りで、冬の寒さで低下していた身体機能を活発化する働きがあるとされてきたのです。実際の有効成分としては、ポリフェノール、精油成分のテルペン類、植物性アルカロイド、カロテン、グルコシノレートなどが上げられます。ふきのとうのてんぷらや、タケノコの若竹煮などは、いかにも春らしいお料理ですよね。

たくさんの野菜が年中出回るようになって季節感などわからなくなっているものも多いですが、春の山菜、野菜などはまだまだ季節感を残しており、その季節特有の味わいを楽しませてくれます。ぜひうまく取り入れて、暖かくなっていく季節にむけて体調を整えたいところです。ただ、その効能ゆえに春のものはあくの強いものも多く、人によっては取りすぎには注意が必要とのことですので、特にアレルギーのある方は気をつけてくださいね。

子どもと大人の味覚

ところで、小さいお子さんは、春の山菜などは苦くて食べられないという子も多いですよね。これには理由があるのです。味覚は、甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の5つが基本とされますが、この中でも酸味と苦味はおいしいと感じるのに訓練の必要な味なのだそうです。元々、酸味はものの腐敗の、苦味は(多くの毒が苦いことから)食べてはいけないもののシグナルとして機能するため、本能的に避けられる味なのだとか。

大人は長い間の食事経験で、酸っぱい食べ物や苦い食べ物を楽しむ習慣を培ってきたので、それらをおいしく食べられるのです。子供たちは、自分の親や身近な大人などがおいしそうにそれらを食べることを見て、それが安全な食べ物だと認識し、いつしか食べるようになっていくのだそうです。子供の頃、コーヒーやビールなんか苦いだけでなにがおいしいんだろう?と思ったことのある方は多いはずです(笑)。

亜鉛不足には注意

最近は、亜鉛不足による味覚障害を訴える若い世代も多いそうです。亜鉛不足は、もともとの食品に含まれる量が昔に比べて減ったということもありますが、加工食品やインスタント食品に含まれる添加物や防腐剤によって、亜鉛が吸収されにくくなったり、体外に排出されてしまったりすることも原因になります。

亜鉛は、牡蠣、うなぎ、牛肉、チーズ、レバー、卵黄などに多く含まれますから、動物性脂肪をまったく取らないなどというダイエットでも、亜鉛不足になりがちです。味が解らなければ、せっかくの食事も楽しめないですし、最悪体調を崩す原因にもなってしまいます。

季節のもの、旬のものを食べて、おいしいきちんとした食事を取っていれば、大人になるにつれて、酸味や苦味も楽しめるようになり、味覚障害を起こす確率もずいぶん減るのではないかと思います。

どこまでいっても食は健康の基本です。せっかくこの季節にしか味わえないものですから、まずはこの春に苦い野菜を楽しむところからはじめてみてくださいね!

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