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「登録販売者が選ぶ漢方薬、薬膳」とは

市販薬2類3類を主に扱う登録販売者は、勿論「漢方薬」を扱います。実は漢方薬につかわれる生薬(原料材植物)のほとんどは食品として主に中国から輸入されているのです。このようなことからも「食は薬であること」養生の基本は食事にありきを実感できると思います。今回は登録販売者がいれば購入できる漢方薬と、生薬も使う薬膳の考え方です。

漢方には上薬、中薬、下薬がありますが食養生でつかわれる漢方植物は「上薬」の部類になります

分類 生薬名 配合剤
【上薬】
・副作用がない、体に穏やかな作用を有するもの
現の証拠(ゲンノショウコ)
クコシ(クコの味)
茶(カメリアシネンシス)
清気、養生
【中薬】
・連用できるが、常用は難しいもの。比較的速効性がある
十薬(ドクダミ)
黄連(オウレン)
胃腸障害改善、
アレルギー薬など
【下薬】
・急性症状に対応し即効性があるもの(常用不可のものが大半)
麻黄(エフェドリン)
コカ
芥子(ケシ)
止瀉薬
解熱薬
咳止め など

薬膳とは薬を混ぜたお膳ではない

薬膳」とは東洋医学で言う陰陽五行説にのっとり、季節の気候からくる体調の変動を調えられるように考えられた食事を言います。

簡単にいえば夏の暑い盛りには余分な熱を発散させる清熱効果の高いものがよく、西瓜(スイカ)やトマト、キュウリなどが代表的ですね。

季節柄、旬野菜でもあるので積極的にとることを推奨されている夏野菜ですが、厳冬の真冬にキュウリや冷たい緑茶ばかりでは手足の冷えは深刻になり、あげくお腹を壊してしまうことも。

薬膳とは、栄養バランスの観点もさることながら、東洋医学ではからだの気血水を整えることに重点がおかれている食膳を指しています。

現代でいうと、胃腸の病気にかかっているならば消化のよいもの、アレルギー疾患なら低アレルゲンのものをという「足りないものを補い、過剰なものを捨てる」という考え方も薬膳の基本と同じ発想です。

薬膳は「胃もたれ食傷知らず」

薬膳でも、もちろん生薬として有効成分を有する野草や山菜などもお膳に上りますが、基本は「旬の食材料理」という要素が大きいです。

それに応じて、気候や気温変化で陰陽のバランスが傾いてしまった体を中庸の状態に調えられるよう工夫された料理でもあります。

例えば肉料理や脂ののった魚料理が沢山並ぶときは熱を冷ます「菊茶」や「青茶(又は緑茶)」が絶えず出されたり、肉類をとりすぎた翌朝には野菜と野沢菜や蓬などで食べるシンプルなお粥が呈されたりしますので、胃もたれ食傷は起きにくくなっています。

五味として見れば辛味の強い麻婆豆腐が出れば冷たくて甘いフルーツ杏仁豆腐がデザートにという具合で(辛、苦、酸、鹹〈カンと読み塩辛いの意〉、甘)の味覚のバランスも共に考慮されているのが大変美味しくいただける秘密です。

漢方薬ももちろん使われています

薬膳に「漢方薬」が使われるのは、お馴染みのスパイスとしてです。

丁子(ちょうじはクローブのこと)、桂皮(けいひ=シナモン)、大茴香(だいういきょう=スターアニス)小茴香(しょうういきょう=フェンネル)、生姜(しょうきょう=ジンジャー)、甘草(かんぞう)などはカレーや中国料理でも欠かすことの出来ない必須アイテムです。

  • ちなみに漢方薬という呼称は生薬同士の相乗効果を見越した複合剤の意味です。一つ一つは「生薬」「方剤」などと呼び単品でも購入が可能です。漢方薬、または生薬は日局薬価基準収載にも2類3類の取り扱いとして薬局薬店でも処方箋なしで買うことができます。
  • かかりつけ病院のある方でしたら健康保険適用ができます。保険診療内で買うこともできますのでお医者さんに相談するのもひとつの方法です。
寒さが厳しいときは「体を暖めるものを優先に」。暑さ厳しいときは「余分な熱を出す、体を冷やすものを優先に」。春や秋には保養や活動前の体力の充足を念頭に「中庸の食物」が好まれます。春先だったら、勢いのある筍や柔らかい蒲公英のおひたしや天ぷらなどは存分に暁の旬味ですね。「季節の食材を食べること」これが陰陽五行の食養生の実践にほかならないもの。季節にあわせた食べ物が薬膳の基本です。

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