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現場で役立つ季節の健康ネタ

実は重症化しやすいのでご注意ください!~低温やけどのお話~

ずいぶん気温が下がってきましたね。寒くなってくると、暖房器具が活躍します。エアコンだと乾燥、ストーブだとやけどや火事など、どんな器具にもそれぞれに注意点はありますが、今回はじんわり長く、皮膚のごく近いところで熱を発するものについてのお話です。

温かくて気持ちがいい物には要注意

人間、急激にとても熱いものに触れると、反射的にそれから離れます。ですが「暖かくて気持ちがいい」というものの場合、特に離れようともしませんよね。これからの時期活躍する、湯たんぽや使い捨てなどのカイロ、電気毛布、こたつなどです。でも実は、適度に暖かいものでも、ずっと長くそれに触れているとやけどを負う可能性があります。これが、低温やけどです。

44度でも、3~4時間触れていれば、やけどを負う可能性があるそうです。もちろん、温度が上がればだんだんと時間は短くなっていき、50度にもなるとほんの2~3分でも危険性があります。

湯たんぽ・カイロは油断禁物!

50度というとすごく熱そうですが、多くの使い捨てカイロの最高温度は60度を超えます。平均でも50度を超えているものが多く、持続時間も10時間というものがめずらしくありません。衣類の上から貼るタイプのものなどは、そのまた上からカーディガンやコートなどを着てしまうと、予想外に熱くなったりもします。最近は、流行もあって湯たんぽでの低温やけども増えているそうです。これに関しましては、消費者庁よりのニュースリリースも発表されています。

★ゆたんぽでの低温やけどを防ぎましょう(消費者庁)
http://www.caa.go.jp/safety/pdf/130227kouhyou_1.pdf

湯たんぽは、商品によっては「寝る前には必ずふとんから取り出してください」と注意書きがされています。ふとんに入れる場合でも、カバーやタオルで覆ったりすることが望ましいです。金属製は特に要注意で、湯たんぽの中では高級品となる純銅製のものなどは熱伝導率が高いので、十分な注意が必要となります。低温やけどは、熱さや痛みを感じにくく、低い温度でゆっくりとやけどが進行するため、重症化しがちです。

低温やけどになる前の対処法

注意ポイント

1.適度な暖かさでも、何時間も熱源に触れ続けない。

2.貼るタイプのカイロは、熱いと感じたらすぐに剥がすようにする。

3.ホットカーペットの上、ストーブ前、こたつの中などで眠らない。

4.湯たんぽや電気毛布は、人間がふとんに入る前に温める目的で使う。

特に電気毛布の場合、一晩中使用すると、低温やけどの危険性だけでなく、ふとんの中が乾燥してしまいますので、それもよくありません。低温やけどは、見た目に軽症に見えても、実は皮膚の深い部分でやけどを起こしていて重症だったということがありえます。

水ぶくれや痛み、違和感がある場合は、見た目で判断せず、できるだけ医療機関を受診してください。上手に暖房器具を使って、これからの季節、暖かくて安全に暮らしたいものですね。

ちなみに、電気ものではないですが、アクリルなどの化繊の毛布をお使いの方も、静電気、放出されない湿気、ほこり(静電気により集まってくる)等に注意が必要なんだそうです。特に羽毛布団をお使いの場合、羽毛布団の下に化繊の毛布を挟んでしまうと、せっかくの羽毛の吸湿・放湿作用が役にたちません。暖かさの面においても、羽毛布団の場合は、布団を下、毛布を上にして使用するのがいいんだそうですよ。特にアレルギーなどをお持ちの方は、綿や絹やウールなどの自然素材の毛布のほうがおススメです。

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