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現場で役立つ季節の健康ネタ

ものすごく基本的なお話ですが~冬はなぜ乾燥するのか~

冬になると乾燥が気になります。お肌のうるおいのみでなく、ウイルス感染も広がりやすくなりますし、火事なども増えます。ではなぜ冬は乾燥するのでしょう?

乾燥の原因は気温にある!?

これは単純に気温のせいなんだそうです。1m3の空間に存在できる水蒸気の質量をgであらわしたものを飽和水蒸気量といいます。なんだかとてもややこしい計算式があるようですが、それはwikipediaなどで確認していただくとして

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A3%BD%E5%92%8C%E6%B0%B4%E8%92%
B8%E6%B0%97%E9%87%8F

気温が50度ならば82.8g/m3、20度ならば17.2g/m3、0度ならば4.85g/m3 などというふうに、気温が下がるほど、空気が含むことのできる水蒸気は少なくなります。寒くなったら呼気が白くけむりますよね。これは、呼気中の水蒸気が空気中に溶けこめず、空中で結露してしまうからです。

日本海側より太平洋側の地域の方が乾燥しやすい

冬は偏西風の影響で、北極やシベリアのほうから寒気団が南下してくるのですが、この寒気団は日本海で大量の水蒸気を含み、日本海側の山を越える際にその溜め込んでいた水蒸気を雪に変えて日本海側の地方に大雪を降らせます。その分、山を越えた後の太平洋側には乾燥した空気が吹き下ろしてきます。ですから、太平洋側のほうが乾燥は強くなる傾向になるわけです。

また、室内で暖房をかけると乾燥がひどくなりますね。これは、冷たいために水蒸気をたくさん含めなかった外気を取り込んで室内で温めるため、室内で温められた空気は飽和水蒸気量が高くなるのに水蒸気量は変わらないため、相対的にものが乾きやすい状態(同じ湿度の空気の場合、暖かいほうが乾燥する)になるのが原因です。

部屋の中の乾燥を防ぐ為に使用するものとは?

通常のガスや石油で炎を燃やすストーブの場合、燃焼時に二酸化炭素と水蒸気を発するためある程度の湿度を保っていたのですが、エアコンやオイルヒーター、温風ヒーターなど燃焼を伴わないものは空気を暖めるだけなので、温度が上がった分、空気を乾燥させることになります。

そこで、最近は加湿器も合わせて使われる方が増えてきましたが、それに比例してか「加湿器病」という名前も聞くようになってきました。

加湿器の種類・使用法

超音波式の加湿器を使用する場合、本体の清掃をよほどこまめにしないと微生物が繁殖しやすく、加湿器により室内にばらまかれた微生物により過敏性肺臓炎を起こす原因となることが判ってきたのです。また、水のミネラル分なども一緒に放出しますので、場合によっては結晶となって室内を白粉がふいたように汚してしまうこともあったそうです。

超音波式は安価な商品が多く、熱も発しないためヤケドの危険もありませんでしたので、一時非常に広まったようですが、最近ではその問題点が指摘され、気化式やハイブリット式スチーム式などが主流になっています。ただもちろん、気化式でもフィルターの掃除は必要ですし、スチーム式だとヤケドの危険性があるなど、どの機種でもなにがしかの注意は必要になります。

ちなみに、国内の加湿空気清浄器の場合、ほとんどが気化式となるようですので、フィルターのお手入れは忘れずに行ってくださいね。

冬になり空気が乾燥すると肌や呼吸器のトラブルが増えたり、ウイルスの繁殖に有利となり感染症が広がりやすくなります。加湿器のみでなく、手近なところではマスクや、手元に温かい飲み物を置く、観葉植物を置く、濡れたタオルを数枚室内に干すなどの対策もあります。美容と健康のために、しっかりと冬のあいだの乾燥対策を心掛けてくださいね!

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