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現場で役立つ季節の健康ネタ

秋の風物詩といえば?~ぎんなんのお話~

秋と言えば様々な「旬のもの」がありますが、ぎんなんもその一つではないでしょうか?塩で炒ったり、茶わん蒸しに入れたり、秋の味覚の代表格となっています♪そんなぎんなんについての豆知識をご紹介します。

イチョウの実~ぎんなん~

日本人にとってもとてもポピュラーな樹木であるイチョウ。秋になると葉は美しい黄色にそまり、ぎんなんの実を付けます。街路樹としてイチョウが植樹されている大通りの歩道などでは路面上にもいっぱいぎんなんが落ちていることもあります。そのぎんなんを目当てに拾っている人たちもいらっしゃいますね。

それはもちろん、まだ普通に実がついた状態のものですから、そのままでは食べられません。

水に付けたり、土に埋めたりして実を取り除き、種を天日干ししてようやくよく見かける殻つきのぎんなんの状態になるのです。

生の実がついているそのまま、素手で触ったりするとかぶれることもあるそうですので、ぎんなん拾いをする方はご注意くださいね。

食べすぎに注意!食中毒になることも!?

さて、この「ぎんなん」。実は、食中毒を起こすことでも知られています。
特に子供の場合注意が必要で、食べ過ぎると突然、嘔吐やケイレンなどを起こし、意識障害など重い症状になることもあるそうです。
実際に、中毒患者の8割が子供なんだそうです。

中毒成分としては、ぎんなんに含まれるビタミンB6の化学構造に似たアルカロイドと考えられ、この化合物がビタミンB6の作用を阻害することで、脳内の神経伝達物質の生成が抑制され、痙攣などの中毒症状を起こすとのこと。

大人でもあまり大量に食べると中毒を起こすことがあるのだそうで、いくら旬の味でおいしくても、ほどほどに留めるべき食材であるようです。

おおむね、子供で7個以上、大人は40個以上の摂取は避ける方がよいとのことですが、中毒を起こす個数は個人により差が大きいそうですので、ごく小さなお子さんには食べさせるのを控えたほうが無難なようです。

また、絶対に生のままで食べてはいけません。
ただ、もちろん栄養豊かな果実(種子?)であることに変わりはありません。

薬の原料としても使用されるぎんなん

ぎんなんの成分は、タンパク質、脂質、炭水化物、カロチン、ビタミンB1、Cカリウム、カルシウムなど。
中国では昔から漢方薬の原料として使われてきました。
肺気を収斂し、喘咳をおさめ、著しく痰量を減少させる効能があるんだそうです。含まれる漢方薬としては、鴨掌散、易黄湯、定喘湯など。
そのほかの効能には、膀胱の括約筋を強くし、滋養強壮にも効果もあると言われています。

イチョウは生命力の強い樹で、実のぎんなんだけでなく、葉も漢方薬やサプリ、健康茶などに利用されています。

ただ、ヨーロッパなどでは医薬品として認証されているのですが、意外なことに日本では、さまざまな効能が謳われ、たくさんの商品が販売されていながら、医薬品としては認可されていないのです。

医薬品として認可されていなくても、いろいろな効能を持つぎんなん。食べ過ぎには十分注意して、今の季節しかない旬のぎんなんを、美味しくいただきましょう!

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