登録販売者.com

ログイン 無料登録

現場で役立つ季節の健康ネタ

暑さに備えて水分補給が必要ですが……

さて、近年暑くなってくると、毎年のように熱中症への対策、注意が呼びかけられます。その中でも必ず言われるのが水分補給。 でもここに、意外な落とし穴があるようですよ。

「ペットボトル症候群」とは?

「ペットボトル症候群」という言葉をご存じでしょうか。
特に暑い夏場、清涼飲料水やスポーツドリンクをがぶ飲みし続けることによって起こる、急性の糖尿病のことです。

正式名称を「ソフトドリンク(清涼飲料水)・ケトアシドーシス」といい、意識の混濁や昏睡に陥るケースもあるそうです。

通常、清涼飲料水には10%の糖分が、スポーツドリンクでも5~6%の糖分が含まれています。
もちろん商品にもよりますが、例えば1.5リットルの炭酸飲料なら、角砂糖1個3gとしますと、50個分(!)の糖分が含まれるそうです。

ある調査によると、10~30代の1日の清涼飲料水の消費量は、平均2.2リットルにも及び、中には5リットル飲むという人もいたとのこと。

3リットル飲めば、1日角砂糖100個分の糖分を摂取することになってしまいます。
喉が渇くのでジュースやスポーツドリンクを飲む⇒血糖値が上昇するため、よけいに喉が渇き、またジュースを飲む。

これを繰り返すことによって、すい臓から出るインスリンが効きにくくなったり、出なくなったりして急激な脂肪分解が起こり、血液が酸性に傾きケトアシドーシスを引き起こし病院に運び込まれるということが起こるそうです。

原因が原因ですので、10~30代の若い世代にも、運動部の男子などにも発症がみられるとのこと。糖質がたくさん入っているという自覚なしに清涼飲料水を大量に飲むことが悪循環を招いています。

正しい水分補給方法

ちなみに、特殊なものを除きジュースにはほとんど食物繊維が含まれないため、砂糖・糖分という表示でなくても、成分に「炭水化物」と書かれていれば、それはほぼ糖分と同じ量と考えていいそうです(炭水化物=糖質+食物繊維です)。

一見健康に良さそうな野菜ジュースやスポーツドリンクだからと言って、がぶ飲みはダメだということですね。

熱中症対策としての正しい水分補給は

  • 飲み過ぎは消化器官に負担をかけるので一度にがぶ飲みしない。
  • 水分補給はこまめに少しずつ行う。
  • あまり冷やしすぎない。常温、もしくは8~13度程度。
  • 塩分0.1~0.2%程度、糖度2.5~3%程度を超えないように注意。
  • 喉が渇いたと感じる前に水分補給をする。

激しいスポーツなどをしない方は、特に塩分と糖分の取り過ぎには注意が必要です。スポーツをする方でも5%を超える糖分を含むと、水分の吸収が悪くなるので、スポーツドリンクなどでも適宜水で薄めるなどしたほうが身体への吸収は良くなりますよ。

ちなみに、楽しい屋外でのバーベキューや海辺のレジャーでの水分補給の場合、ビールをたくさん飲んだからと言って、それでは水分補給にはなりませんので、大人の方も注意が必要です!

arrow_drop_up