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登録販売者試験対策「人体の機能 〜消化器編(後編)〜」

前回の記事でも書きましたが、そこまで難しい問題は出題されないとしても「人体の機能について」の問題は試験に出題されることがあります。この「人体の機能 〜消化器編(後編)〜」にも目を通して概要だけでも掴んでおきましょう。今回は、膵臓から大腸までの消化器機能に注目して解説していきますのでイメージを膨らませながら消化器の機能を考えていきましょう。表現を柔らかくしながら、機能の説明と同時に消化酵素の覚え方や他の知識に繋がるような説明もしていきますので、ぜひ最後までお読みください。

膵臓

▷膵臓には消化酵素を分泌する機能だけでなく、ホルモンの分泌まで関わっている〇か×か。

このような問題が出てきた時に瞬時に回答が浮かび、細かく説明が出来るのであればもう言うことはありません。

正解は〇なわけですが、一体どのような消化酵素とホルモンが分泌されているのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

まず、膵臓は十二指腸と膵管と呼ばれる管で繋がっており、胃の後ろ側にあります。その為、膵臓から分泌される消化液(膵液)は膵管を通して十二指腸内へ送られます。

この膵液はアミラーゼ、トリプシン、リパーゼなどの消化酵素を含んでおり、それぞれ糖質、タンパク質、脂肪を分解していきます。ここで分かるように、三大栄養素を全て分解できる消化液を分泌する膵臓は、とてもオールラウンダーな臓器かもしれません。

ホルモンの分泌に関してですが、膵臓から分泌されるインスリンやグルカゴンは重要な役割をしています。まずインスリンは身体の細胞が糖を使ってエネルギー作る働きを助けます。

すなわち、インスリンが不足したり、働きが弱くなると血糖値が上がってしまうのです。逆に、血糖値が低下した場合はグルカゴンが分泌され、肝臓で糖を作る働きが促進されることで血糖値が上昇します。

このように、膵臓から分泌されるインスリンとグルカゴンによって、血液中の糖はバランスがとられています。

分かりやすくイメージしてみましょう。

食事をした後にエネルギー源となる糖が血中に沢山現れると、インスリンがそのエネルギー源を細胞に蓄えていきます。

その後、運動や勉強などでエネルギー源が減り、もっとエネルギーが欲しい時にグルカゴンが分泌されてエネルギー源を作っていきます。このように身体のエネルギーはホルモンによってうまく調節されているわけです。

小腸

小腸は栄養を吸収する場所! そう理解している方が多いと思います。それで正しいのですが、試験に備えて栄養を効率よく吸収する為に小腸が持っている機能を理解しておきましょう。

まず、栄養を逃さない為に小腸は6m以上の長さ(消化管の約80%を占める)があります。小さな栄養素にとって、その道のりはどれほど長いでしょうか。

小腸は筋肉の収縮と弛緩を繰り返しながら動き、その動きによって食べ物を輸送しながら消化液と食べ物を混合していきます。

この輸送と混合の過程を通して栄養は吸収されていきます。小腸の粘膜から栄養素は吸収されていきますが、小腸粘膜には絨毛と呼ばれる無数のひだがあり、このひだのおかげで小腸の表面積が600倍にもなっています。

このように、小腸はその長さを表面積をもってして栄養を逃がさないよにしています。
小腸はその長さと表面積をもってして栄養を逃がさないようにしています。

大腸

大腸は盲腸から始まり上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸と続きます。大腸は消化管の最後に位置しますが、大腸はただ便を溜める場所でしょうか?

実は、溜めるという機能だけではありません。大腸は、周りに存在している血管へ水分と塩類(ミネラル)を吸収させる働きがあります。

また、便をスムーズに排泄できるように粘液を分泌しています。さらには、腸内に住んでいる多くの細菌を排泄することで細菌から体を守っています。

直腸と肛門

直腸は大腸の終わりの部分ですが、この部位を取り上げた理由があります。それは、登録販売者試験の過去問にこのような問題を見つけたからです。

d.肛門周囲は肛門括約筋で囲まれている。

この問題は〇でしょうか×でしょうか。

通常、便は下行結腸にとどまっており、直腸は空になっています。

しかし、下行結腸がいっぱいになった場合や便が直腸に下がってきた場合は便意が起きます。便が最後に通過する肛門には、輪状の筋肉(肛門括約筋)があり排便時まで閉じています。よってこの問題は〇ということです。

また、直腸で重要なのは、坐剤など直腸吸収でされる薬物は全身の血液にまわる前に肝臓を通りません。すなわち即効性があり、肝臓で最初の代謝(初回通過効果)を受けないということになります。これは薬の専門家にとって理解しておくべき点です。必ず覚えておきましょう。

今回は膵臓から大腸まで、その構造や機能、消化酵素成分までをご説明しました。前編と後編を通して食べ物が消化されていく行程をイメージしながら順番に考えていくと良いと思います。今回の説明が少しでも頭に残ったならば、あとは問題集を沢山解いて登録販売者試験に備えていきましょう。

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