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登録販売者、採用の現場から

水虫かも!? 足のかゆみ、皮剥けってどうご案内すればいい?

足が蒸れる季節になると増えてくるのが「水虫かもしれない」というお客様です。水虫に関連する商品は多く、剤形(クリームや軟膏、スプレーなど)も様々なものがあります。お客様からご相談された際、あなたはきちんとご案内できていますか? 今回は水虫の症状と剤形の選び方に注目していきましょう。

水虫ってなに??

水虫とは皮膚上に白癬菌というカビが増殖してしまう感染症のことです。よく足の裏や足の指の間に出来るイメージですが、爪や手や体にも感染します。

足の場合は靴で蒸れてしまうために白癬菌が繁殖したり、プールや温泉などで感染してしまうことが多いです。

足の指裏や指の間の皮が剥けたり、じゅくじゅくしてきた場合水虫を疑いますが、確定診断は医師に顕微鏡で菌の存在を確認してもらうことによって行います。

そのため、初めて水虫になったかもしれないという方は一度病院に行くべきです。一度水虫と診断されたことがある方の場合は、やはり水虫である可能性が高いです。

水虫のタイプに合った剤形選びとは?

市販の水虫薬には軟膏タイプやクリームタイプ、スプレータイプ、液体タイプ、ジェルタイプと様々なタイプに分かれます。

どの剤形を選んだとしても、水虫と診断されている場合は基本的に足全体に塗ることが推奨されます。また長期間使う必要があります。

症状別に剤形のおすすめを考えてみると、ガサガサとしていて皮が剥がれているタイプの水虫の場合は、硬くなった部分に浸透しやすいクリームタイプや尿素が配合されている商品が向いています。

じゅくじゅくしている場合にはじゅくじゅくすることを抑え、かつ刺激のすくない軟膏タイプが一番お勧めできます。

そしてこの場合は、メンソールやアルコール等を含まない商品を選ぶと良いです。注意したいのは、一部の液体タイプにはアルコールが含まれていることです。

このような商品は、じゅくじゅくしている部分に塗ると滲みる可能性がありますので、液体タイプを好まれるお客様へのご案内には注意してください。

液体タイプやジェルタイプ、スプレータイプはあまりベタベタしないために好まれることが多いです。特にスプレータイプは手が汚れることなく塗れることもあり、人気が高いです。

水虫を根本的に治すには薬を長い期間使う必要があり、なるべくお客様の好みに合わせて毎日忘れずに使ってもらうことが重要ですが、水虫の症状にあわせて剤形を変えたほうが良いことも忘れないようにしてください。

痒みが強い場合は痒み止めが配合されているものや、冷感タイプの商品を選ぶと不快感が緩和されます。特に局所麻酔薬(リドカイン等)が配合されているものはかゆみをより早く止めてくれます。

最後に、爪に水虫の症状が出ている場合ですが、この場合は市販薬の外用真菌薬では治りにくいとされているため一度病院へ受診することが望ましいです。

予防はどうする?

予防としては、足をよく洗うことが推奨されますが、普通の石鹸で洗うより水虫専用に作られた抗菌成分配合の石鹸などを使用するとより高い効果を得ることができます。

家族や同居人がいる場合はタオルを分けることも効果的ですが、白癬菌は皮膚に付着後に24時間程度かけて皮膚に侵入するので、まずは足を洗い忘れないように心がけることが重要です。

なかなか治らないと相談された場合

治らない原因としては、主に2つ考えられます。まず1つ目はそもそも水虫だと思っていたが実は違う病気だった場合です。

この場合は一度皮膚科医に市販の水虫薬を使用しても良くならなかった旨を伝えた上で診てもらうことが望ましいです。

2つ目はきちんとした方法で使用出来ていなかった場合です。ご相談頂いた時にはどのように使っているか伺い、きちんと使えていなければ、再度使用方法をお伝えしてみましょう。

店内で販売する際の注意

薬の中には他の人に使用していることを知られたくない方や、あまり話したくない方もいらっしゃいます。水虫の薬もその中の1つです。

水虫は若い方でも感染する可能性がある病気ですが、病院へ行ったり、市販薬を購入することが恥ずかしいと感じてなかなか行けない方も多くいらっしゃいます。

勇気を出して塗り方を聞いてみたときに、周りの方に聞こえる大きさの声で話されたり、水虫薬の売り場で長々と話されたりしたらどう感じるでしょうか。

お客様から質問があった場合は、出来る限りお客様にだけ聞こえるようにご説明したり、周りに人が少ない場所に移動してお話してみても良いかと思います。

夏場に増えやすいと思われがちの水虫ですが、実は冬場でも蒸れることでなりやすい病気です。しかし、感染していると恥ずかしいと捉えられがちな病気なため、販売する時は少し配慮が必要です。このようなちょっとした気遣いが出来ると、さらにレベルの高い登録販売者になれるかと思います。日々忙しい中でも少しずつスキルアップしていきましょう。

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