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【登録販売者試験対策】出題される消毒薬を確認しよう

登録販売者試験 第3章 主な医薬品とその作用 に該当する「消毒薬」。医薬品と言えど、そんなにメインの薬でもないし、試験頻出…とまでは正直言えないのですが、毎年1~2問は出題されているので、確認していて損はないと思います。その中でも特に覚えておいてほしいポイントに絞って、順番に解説していきます!

消毒・殺菌の定義

そもそも「消毒」と「殺菌」または「滅菌」といった単語を区別して説明できますか? 定義としては以下のようになっています。

消毒:病原性のある微生物を死滅・除去させて害のない程度にすること

殺菌:細菌やウイルスを殺す効果のこと(死滅させる菌の種類や死なせる量に明確な定義はない)

滅菌:有害・無害を問わず、すべての菌(微生物やウイルス含む)を死滅・除去すること

消毒は殺菌と似ているのですが、あくまでも「病原性のあるものを無毒化」することです。必ずしも死滅させる必要はありません。(ウイルスを不活化させるだけでも消毒と言えます。)

登録販売者試験において「消毒・殺菌とは、すべての微生物を殺滅・除去することをいう」などといった文言で出題されることが多いので、「滅菌」だけがすべての微生物を殺滅・除去することを示すのだと覚えておきましょう。

医薬品と医薬部外品に該当する消毒薬

手指又は皮膚の殺菌・消毒を目的とする消毒薬は、その商品によって医薬品か医薬部外品に該当します。

配合成分やその濃度等があらかじめ定められた範囲内である製品については、医薬部外品として流通することが認められているのです。

一方で、器具等の殺菌・消毒を併せて目的とする製品については、医薬品としてのみ製造販売されています。

このようにして言うと、少しややこしく感じるかと思いますが、結局のところは「医薬部外品の消毒薬は、器具等の殺菌・消毒を目的としていない」ということを覚えておけばOKです。

そもそも医薬品と医薬部外品の違いって何?と思った方は、医薬品と医薬部外品の定義も確認しておくようにしましょう。

手指にも使える消毒薬成分:エタノール、イソプロパノール

特にエタノールは、最も試験に出題されやすい消毒薬成分と言えます。

アルコール分が微生物のタンパク質を変性させて、その作用を消失させることから、結核菌を含む一般細菌やウイルスに対する殺菌消毒作用を示します。(イソプロパノールのウイルスに対する不活性効果は、エタノールよりも低いです。)

このアルコール分は粘膜刺激性があり、粘膜面(口唇)や目の回り、傷がある部分への使用は避けることとされています。脱脂力も高く、肌荒れを起こしやすいので、皮膚への繰り返しの使用は推奨されていません。

手指にも使える消毒薬成分:クレゾール石鹸液

クレゾール石鹸液もエタノールと同様、結核菌を含む一般細菌に幅広く作用を示しますが、ウイルスへの効果は認められていません。ここが出題ポイントです。

また、クレゾール石鹸液は原液を水で希釈して用いられるのですが、その原液が皮膚などに付着した場合は、直ちに石鹸水と水で洗い流します。ここで「石鹸水」を用いることが特徴です。

手指にも使える消毒薬成分:クロルヘキシジングルコン酸塩

クロルヘキシジングルコン酸塩は、消毒薬というよりもうがい薬として出題されることが多いです。エタノールと同様、結核菌を含む一般細菌やウイルスに対する殺菌消毒作用を示します。

器具、設備等にのみ使う消毒薬成分:次亜塩素酸ナトリウム、サラシ粉

次亜塩素酸ナトリウムやサラシ粉などは塩素系殺菌消毒成分に該当します。強い酸化力によって、一般細菌類やウイルス全般に対して殺菌消毒作用を示しますが、その皮膚刺激性の強さから、人体の消毒には用いられません。

金属腐食性があるとともに、プラスチックやゴム製品を劣化させる性質もあります。漂白作用もあるため、普段の生活においても漂白剤(キッチンハイター等)として用いられることもあります。

使用の際には、酸性の洗剤と反応して有毒な塩素ガスが発生するため、混ざらないように注意が必要です(酸性の洗剤と反応することを覚えておきましょう)。

器具、設備等にのみ使う消毒薬成分:ジクロルイソシアヌル酸ナトリウム、トリクロルイソシアヌル酸ナトリウム

ジクロルイソシアヌル酸ナトリウム、トリクロルイソシアヌル酸ナトリウムは、有機塩素系殺菌消毒成分に該当します。

塩素臭や刺激性、金属腐食性が比較的抑えられているため、プール等の大型設備の殺菌・消毒に用いられることが多いということだけを押さえておけばOKです。

消毒薬成分はどれも似たようなイメージを持ってしまいがちですが、「何に効くのか、何に効かないのか」が大切です。特にウイルスに効果を示すのかどうかを基準に覚えておくとよいでしょう。なかなか覚えられないなという方は、ドラッグストアで実際の消毒薬を探してみてください。実際の商品に触れて、ポイントを確認するだけでも覚えやすくなるものですよ。

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