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登録販売者、採用の現場から

秋の花粉症!? そもそも花粉症ってなに?

花粉症は発症してしまうと生活に支障がでてしまうような本当に辛い症状であり、日本人に馴染み深い症状のひとつです。スギ花粉症に至っては、日本固有のものであり、現在約20%の日本人が患者であると言われています。登録販売者の観点では、春になると花粉症で市販薬を購入しにいらっしゃる方が多くなり、「春はたくさん花粉が飛んでいるんだな」と意識することが多いと思います。しかし、実は花粉というのは1年中飛んでおり、年間を通して花粉症に悩んでいる方もいらっしゃいます。そのような方々の応対ができるようになる為に、花粉や花粉症について把握しておきましょう。また、花粉症の予防についてもこの記事の後半に記載したいと思います。ぜひ参考にしてください。

花粉とは

まず、花粉とは何でしょうか? 花粉は植物の細胞で、植物が子孫を残す為に雄蕊(おしべ)から出しています。

この細胞が雌蕊(めしべ)に付けば問題ないのですが、多くの花粉は風に流され空気中を舞っています。春にはたくさんの花が咲くイメージがあるかと思いますが、花が咲くということは花粉が出るということです。

花粉症の正体? 何故アレルギーが起きるのか。

花粉が空気中を舞って、私たちの鼻粘膜に付着するとどうなるのでしょうか。

まず、身体は花粉を侵入者として認識するかどうかがキーとなります。侵入者として認識した場合は、リンパ球がIgEという抗体を作ります。

抗体が作られた後に再度花粉が侵入すると、粘膜にいる肥満細胞のIgE抗体に花粉が捕らえられます。すると肥満細胞からアレルギーの原因となるヒスタミンやロイコトリエンという物質が放出されます。

そして、これらの物質が血管等に作用して鼻水やくしゃみ、鼻づまりの症状を発現させます。

少し難しい話になりましたが、アレルギー薬の成分である抗ヒスタミン薬と花粉の関係が少し理解できたかと思います。

花粉症の原因になりやすい植物って?

ここからは、花粉症の原因になりやすい植物とその季節を確認しましょう。

季節と該当する植物を覚えておけば、その季節にアレルギー薬を購入しに来たお客様との会話の導入に非常に使えます。(例: こんにちわ。この季節だとブタクサですか? 花粉症はお辛いですよね。いつもこの商品をご購入されているんですか? など)

スギ(2〜4月)
ヒノキ(3〜5月)
ブタクサ(8〜10月)

この三種類が代表的なものです。そして、さらに

シラカンバ(4〜6月)
イネ科(4~11月)
ヨモギ(8〜10月)

などでも花粉症を発症することがあります。

カッコ内の飛散季節が示す通り、花粉が年間を通して飛散していることがわかると思います。もし、商品の陳列、ポップ作りなどを担当している場合は、季節によってポップを変えても良いかもしれません。

マスクの効果?

マスクを販売していて、「効果あるのかな?」と感じることもあるかと思います。マスクは、正しい使い方をすればその効果は期待できると思います。

もちろん、念のため花粉を防ぐと謳っている商品を購入していただくほうが安心ですが、正しい使い方もポップ等で示してあげると良いでしょう。

正しい使い方ですが、まず前述したように、花粉が鼻粘膜に付着することが花粉症の症状の始まりです。そのため、マスク装着時は必ず鼻もカバーできるように装着しましょう。

カバーできる程度の大きさと、大きすぎないことも重要です。時々、誤って大人の男性用のマスクをレジにお持ちになるご年配の奥様がいらっしゃることもあります。

その時は一度「大人の男性用ですがよろしいですか」と伺ってあげるのが親切だと思います。

予防としてアレルギー薬を飲んでよい?

たしかに、医療機関から処方されるアレルギー薬は先生の指示で「症状が出る前から服用する」ことがあると思います。

ただし、市販で販売されている薬の効能はあくまでも「花粉症の症状を改善する」ことが目的であり「予防薬として使用して良い」とは記載されていないと思います。

そのため、登録販売者の立場で市販薬のアレルギー薬を予防に使ってよいとは言うことができません。

予防として使用したいのであれば、しっかりと医療機関で診断を受け、予防が必要かどうかという医師の判断が必要です。安易に「予防にも効果的」と謳って、販売しないようにしましょう。

今回は花粉の正体とアレルギー反応が起こるメカニズム、季節によって飛散する花粉の種類、マスクの効果、アレルギー薬の花粉症予防効果についてお話しました。お客様との会話の際、メカニズムや季節によってお客様の花粉症の原因を見分ければ、お客様との会話の導入もスムーズですし、今後は頼りにして頂けるかもしれません。また、マスクの正しい使い方とよくあるミスもご紹介しました。細かいところまで気付いてあげられる登録販売者は固定客が付く可能性があるだけでなく、売り場でも非常に頼りにされると思います。日々の業務は忙しいと思いますが、少しずつ実践していけると良いと思います。

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