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登録販売者、採用の現場から

医薬品の副作用について ー皮膚編ー

ドラッグストアや薬局で働いていると副作用について良く聞かれるかと思います。実際に箱や添付文書に記載されている内容を読んでから、その内容をかみ砕いてお客様にご説明することも多いかと思います。説明や判別が難しい場合もありますが、わかりやすくお客様にご説明が出来てやっと一人前ですよね。今回は「皮膚」に発現する副作用に着目していきます。登録販売者試験にも出題される内容を副作用ごとにまとめていますので、これから試験を受ける方にも非常にためになる内容になっています。ぜひ参考にしてみてください。

主な医薬品の副作用

薬疹

どんな医薬品にも起こりうる副作用の総称です。以下に記載される症状も薬疹のひとつと考えられることがありますが、一般的には外用薬によって起こるアレルギー反応は接触皮膚炎に分類され、薬疹とは呼ばれないことが多いです。

しかし、登録販売者試験にはここまでの詳細はでないため、『薬疹はどんな医薬品にも起こる可能性がある』という認識で良いかと思います。

薬疹と聞くと皮膚にぶつぶつが出来るイメージが強いかと思いますが、皮膚以外にも眼の充血、唇や口の中の粘膜に症状が出る場合もあります。

症状やアレルギー症状のうちどこまでを薬疹に含むかにもよりますが、基本的な症状は『医薬品使用後1~2週間以内に起きることが多いが、長期間使用してから出ることもある』と考えておいて良いかと思います。(実際にすぐ症状が出た場合も薬疹と診断する場合もあるため、登録販売者試験上での考え方でも良いかもしれません)

薬疹かどうかの判断は、お客様自身にも登録販売者や薬剤師にも出来ません。そのため、薬疹の可能性があるにもかかわらず、市販薬で対処をしてしまうとかえって長引いてしまったり、悪化してしまい、最悪命の危険にまで発展してしまう可能性もあります。

その医薬品が原因かどうかも誰にもわかりません。

つまり、現場で登録販売者が出来ることは医薬品の中止と医療機関への受診を促すことです。なんとなくや予想で病名を言ってしまったり、塗り薬を販売することはしないようにしましょう。

光線過敏症

光線過敏症は見たままの症状のことを指します。塗り薬や貼り薬で起こることが多く、医薬品を使用した部位(使用後の部位も)が日の光に当たると赤くなったり、ただれてしまったりする症状のことを言います。

また症状自体は医薬品に触れた部分だけではなく、全身にまわって重篤化する恐れもあります。

塗り薬や貼り薬では副作用なんか起きないだろうと考えているお客様もいらっしゃるため、販売する時にひと言お声がけが出来ると意識を変えて頂けるチャンスになるかと思います。

もし「光線過敏症かもしれない…」とお客様がいらっしゃった場合はまずは医薬品を洗い流してもらい、症状が出ている部位を遮光して受診してもらってください。電話で相談が来ることもあるかもしれません。スムーズにお答えが出来るようにしておきましょう。

アレルギー性皮膚炎

アレルギー性皮膚炎は原因が医薬品なのか、他のアレルギー物質なのか判断がとても難しい症状の一つです。医療機関へ受診した場合も原因が特定されることはあまりないかもしれません。

医薬品を使用後にでるかぶれ等の皮膚炎を総称して医薬品によるアレルギー性皮膚炎と呼んでいることが多いです。

登録販売者試験対策としては、医薬品を使用した部位以外にも症状があらわれることがあることを覚えておくと良いでしょう。

接触皮膚炎

アレルギー性皮膚炎の中に含まれることもある接触皮膚炎ですが、文字通り医薬品が接触することで起こる皮膚炎のことを指します。

塗り薬や貼り薬を使用したあとにかぶれた場合もこれに含まれ、皮膚炎の部分と正常の皮膚の境界は明確です。かぶれなら大したことないと考えがちですが、かゆみや赤みだけでなく、悪化すると水疱ができ、そこから感染症を起こしてしまうこともあります。

基本的には原因と考えられる医薬品を中止することで一週間程度で症状は緩和すると言われています。

しかし、再度同じ医薬品に触れることでまた症状が出てしまうため、注意が必要です。

使用中止後、医療機関へ受診し、今後その医薬品は使用しないように成分名や商品名をメモしておくところまでお客様にお伝えが出来ると良いです。

皮膚への副作用に関する過去問

問39

医薬品の副作用として現れる皮膚の症状等に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

  • 光線過敏症の症状は、医薬品が触れた皮膚の部分だけでなく、全身へ広がって重篤化する場合がある。
  • アレルギー性皮膚炎は、発症部位が医薬品の接触部位に限定される。
  • 接触皮膚炎は、原因となった医薬品との接触がなくなれば、通常は1週間程度で症状は治まり、再びその医薬品と接触しても再発はしない。
  • 光線過敏症が現れた場合は、原因と考えられる医薬品の使用を中止し、患部は洗浄せずそのままの状態で、白い生地や薄手の服で遮光し、速やかに医師の治療を受ける必要がある。

(平成 31年 (2019年 )度 東京都登録販売者試験 → https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kenkou/iyaku/tourokushiken/31shiken.files/2019AMtouhansikennmonndai.pdf

解答はこの記事を読んでいれば分かると思います。これで皮膚の副作用はバッチリですね!

いかがでしたでしょうか。調べてみると分かりますが、この分野は試験に頻出です。是非この機会に覚えてしまいましょう。いざ現場で応対を行う場合にも役立つはずです。

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