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登録販売者ドタバタ劇場

その症状は本当に疲れ眼?頻繁に使うお客様には使い切りタイプの目薬を

1日中パソコンや書類を見ていることが少なくない現代人にとって、疲れ目は非常に身近な症状。そんな中で目薬は必須アイテムと言っても過言ではありませんよね。しかし、お客様の言う「疲れ目で」は必ずしも疲れ目とは限りません。商品を提案するときどのようなことに気をつけるべきでしょうか?

乾燥が原因の「疲れ目」では目薬の使いすぎが起こりやすい

疲れ目と似た症状にドライアイがあります。しかし、ドライアイであってもパソコンを見る作業中に目がかすむ、重いといった自覚症状が重なると、お客様自身が疲れ目と判断してしまうようです。

こうしたとき、登録販売者への相談は「疲れ目に効く目薬が欲しい」になりますので、そのまま疲れ目用の商品を提案してしまうと期待通りに症状が改善できずにお客様の悩みは解消されません。

商品によって多少の差はありますが、添付文書を見ると目薬は通常、1日5~6回までと決められていますよね。乾燥が原因の場合は特に、ドライアイ用でなくても目薬をさした直後に効果を実感できるため、決められた回数以上に使ってしまう可能性が高くなります。決められた以上に使い続ければ当然、副作用の危険も高まりますので、そうした状況は阻止しなければなりません。

疲れ目とドライアイを見極める

それではどのように疲れ目とドライアイを見極めることができるのでしょうか?
注目したいのは、症状が起こるタイミング。家では大丈夫なのに冷暖房がしっかり効いたオフィスだと辛い、風がしみるなど、作業内容そのものよりも場所によって症状が重くなるのであれば乾燥が原因の可能性が高くなります。

もしお客様自身が起こるタイミングが分からないようであれば、10秒間まばたきをせずに目を開けていられるか、その場で試してもらっても良いでしょう。どうしてもまばたきをしてしまう、しなくても辛いなどの場合は乾燥しているといえます。

使用回数が多いなら使い切りタイプへの変更を

ドライアイ用の目薬は薬液の粘度を高く調整してあったり、余計な薬効成分が含まれていない人工涙液だったりします。まずは粘度を高めてあるような通常サイズの商品をおすすめして問題ありませんが、聞き取りの中で普段から1時間に何度も目薬を使ってしまうといった情報が得られていれば、通常サイズではなく保存剤や防腐剤も入っていない使い切りタイプの商品が良いでしょう。可能な限り必要のない薬の使用を避けることで副作用を防ぐことができます。

毎回ごみが出てしまったり、もったいない気がしてしまったりすることもありますが、お客様と相談して使い切りタイプの商品も提案してみてくださいね。また、目薬を何十回も使ってしまうほど強い症状なら1度眼科を受診することをおすすめしてください。

ドライアイも疲れ目も本当に多くのお客様が悩んでいますが、副作用の危険がある限り「とりあえず売れば良い」というわけにはいきません。お客様の今後を考えた接客がなによりも大切。いろいろな情報から最も適した商品を提案できると良いですね。

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