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【登録販売者試験対策】漢方処方を理解して覚えよう!甘草(かんぞう)の覚えておくべきポイント
甘草とは?
甘草(かんぞう)は、マメ科のウラルカンゾウやスペインカンゾウの根及びストロンを乾燥したものです。中国東北部から、中央アジアおよび南ヨーロッパの乾燥地に分布しています。
甘草の主成分は「グリチルリチン」(成分名は覚えておきましょう)。その名前のとおり舐めると甘い味がし、それは砂糖の数十倍以上の甘さとも言われています。
その強い甘味から醤油、味噌、漬物、乳製品等の幅広い食品で甘味料としても使用されています。
甘草が配合される主な漢方処方
甘草湯(かんぞうとう)、桔梗湯(ききょうとう)、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)、芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)、十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)、小柴胡湯(しょうさいことう)、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)、麻黄湯(まおうとう)など
ドラッグストアで購入される場面に遭遇しやすいのは「芍薬甘草湯」ではないでしょうか。足のこむら返りに使用する漢方処方で、作用のメインとして甘草が配合されています。
このように挙げたらきりがない程、多くの漢方処方に甘草が配合されています。全体の約70%の漢方処方には甘草が含まれていると言ってもよいぐらいです。
というのも、甘草は調和性の高い生薬であり、作用が少し強めの生薬と同時に処方すると、甘草がその相手の生薬の作用をマイルドに調整します。
逆に作用が弱めの生薬と同時に処方される場合は、甘草がその相手の生薬の作用を強めるように調整します。このような作用を持っていることから、多くの漢方処方に甘草が配合されています。
そんなにたくさん漢方処方を覚えるのは難しい…そんな方は、以下を覚えましょう!
「甘草が配合されていない」漢方処方
覚えておくべきは以下3つ。
- 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう):のどの異物感に使用
- 呉茱萸湯(ごしゅゆとう):冷え症の人で、繰り返す片頭痛に使用
- 茵蔯蒿湯(いんちんこうとう):肝臓や胆のうの病気で、黄疸が出ている人に使用
特に半夏厚朴湯は、甘草が含まれていない漢方処方として有名ですので、必ず押さえておくと良いでしょう。
「甘草の出題ポイント1:グリチルリチンの多岐にわたる作用
甘草の主成分グリチルリチンは、主に抗炎症作用が期待されています。
グリチルリチンの化学構造がステロイドと類似しているため、抗炎症作用を示すとされています。その作用から市販の総合感冒薬においても、喉の痛みの緩和を目的に配合されていることもあります。
その他に去痰・鎮咳作用、免疫調整作用、肝細胞での障害抑制作用等も示すことから、医療用医薬品においてはグリチルリチン製剤が肝庇護薬として慢性肝炎等の治療に使用されています。
甘草の出題ポイント2:過量摂取のリスクが高い
先に述べたように、甘草は多くの漢方処方に配合されていることに加えて一般的な総合感冒薬や健胃薬にも配合されています。
また、甘味料として食品にも使用されていることから、予期せずに過量摂取となってしまう可能性が高く、これは以前から問題視されている点です。
また、長期連用はできません。長期連用も結果的に過量摂取のリスクを上げてしまうことになります。
そのため、例えば「芍薬甘草湯」の添付文書を確認すると「使用上の注意」として「してはいけないこと:症状があるときのみの服用にとどめ、連用しないでください」と記載されています。
甘草の出題ポイント3:副作用は偽アルドステロン症
グリチルリチンによる副作用として覚えておくべきは「偽アルドステロン症」です。副腎より分泌されるホルモンの一種であるアルドステロンが(実際は正常であるにも関わらず)過剰に分泌されているような症状を示す疾患です。
このアルドステロンは、体内にナトリウムと水分を貯め、カリウムを排泄する役割を持っています。
偽アルドステロン症では、低カリウム血症を伴う高血圧を示し、手足の脱力感と血圧上昇による頭重感等が主な症状です。初期症状としては手足のしびれ、つっぱり感、こわばり、筋肉痛、全身倦怠感等がよく見られます。
特に以下の患者さんは偽アルドステロン症の発症リスクが高いため、注意が必要です。
- 高齢者
- 不整脈がある人
- 高血圧の人
- むくみ(浮腫)がある人
- 腎臓病がある人
特に高齢者には要注意であることを覚えておきましょう。
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