登録販売者.com

ログイン 無料登録

登録販売者になりたい人へ

【登録販売者試験対策】安全性情報の種類、知っていますか?

普段、医薬品の情報はどこから手に入れますか? 製薬企業のホームページや添付文書を確認したり…。様々な情報が溢れている世の中ですが、登録販売者としては最新の正しい医薬品情報を把握しておきたいものです。医薬品を安全かつ適正に使用するために「緊急安全性情報」などの安全性情報が製薬企業や厚生労働省から発出されています。安全性情報にもいくつか種類がありますので、それぞれの特徴について解説します。

安全性情報にはどのようなものがあるの?

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)により、製薬企業には「医薬品の有効性及び安全性に関する事項」や「その他医薬品の適正使用のために必要な情報」を収集して医療関係者に提供しなければならないと規定されています。そこで発出されるのが、以下3つの安全性情報です。

  • 緊急安全性情報
  • 安全性速報
  • 医薬品・医療機器等安全性情報

これら3つとも名前からイメージすると、似たようなものに感じますが、発出される条件やその内容、情報の伝達方法が異なります。違いを意識しながら、一つずつ確認していきましょう。

緊急安全性情報

緊急安全性情報はA4サイズの黄色の紙で、用紙の上部に「緊急安全性情報」と黒字で記載し、周りを赤枠で囲っています。その見た目から「イエローレター」とも呼ばれるものです。

発出条件:医薬品に関して緊急かつ重大な注意喚起などが必要な場合

作成する人:製薬企業

緊急安全性情報を作成して配布するのは製薬企業ですが、厚生労働省からの命令・指示、または製薬企業の自主決定に基づいて作成されます。

主に医薬品による重篤な副作用事例が発生し、それを速やかに医療機関へ情報伝達するために発出されるものです。

緊急安全性情報の伝達方法としては、製薬企業や厚生労働省による報道発表、MRが直接医療機関に配布する以外にも、厚生労働省所管の独立行政法人である医薬品医療機器総合機構(PMDA)が行う医薬品医療機器情報配信サービスの使用などがあります。これらの情報伝達は全て緊急安全性情報が発出されて1ヶ月以内に行われます。

ちなみに、PMDAの医薬品医療機器情報配信サービスとは、医薬品・医療機器等の安全性に関する特に重要な情報が発出された際に、タイムリーにその情報を配信するメールサービスです。

安全性速報

安全性速報はA4サイズの青色の紙で、用紙の上部に「安全性速報」と黒字で記載し、周りを黒枠で囲っています。その見た目から「ブルーレター」とも呼ばれるものです。

発出条件:医薬品の一般的な「使用上の注意」の改訂情報よりも迅速な注意喚起が必要な場合

作成する人:製薬企業

緊急安全性情報と同じく、安全性速報も作成して配布するのは製薬企業ですが、厚生労働省からの命令・指示、または製薬企業の自主決定に基づいて作成されます。

安全性速報の伝達方法はMRが直接医療機関に配布、PMDAの医薬品医療機器情報配信サービスの使用などがあり、発出されたから1ヶ月以内に行われます。(製薬企業や厚生労働省による報道発表は行われません。)

医薬品・医療機器等安全性情報

医薬品・医療機器等安全性情報は先に説明した緊急安全性情報、安全性速報とは少し異なり、厚生労働省が医薬品等の重要な副作用、不具合等に関する情報をとりまとめた医療関係者向けの資料です。

発出条件:規定はないが、約1ヶ月毎に発行

作成する人:厚生労働省

その内容としては、医薬品の安全性に関する解説記事や、使用上の注意の改訂内容、主な対象品目、参考文献(重要な副作用等に関する改訂については、その根拠となった症例の概要)が掲載されています。

各都道府県や関係学会等へ冊子が送付されたり、医学・薬学関係の専門誌に転載されることもあります。厚生労働省やPMDAのホームページでは過去のものを含め、参照できるようになっていますので、気になる方は確認してみてください。

PMDAホームページで確認できる情報

説明した3つの安全性情報のほかに、PMDAホームページでは以下のような医薬品に関する情報が確認できます。

  • 厚生労働省が製薬企業に指示した緊急安全性情報、「使用上の注意」の改訂情報
  • 製薬企業や医療機関等から報告された、医薬品による副作用が疑われる症例情報
  • 医薬品の承認情報
  • 医薬品等の製品回収に関する情報
  • 一般用医薬品・要指導医薬品の添付文書情報
  • 患者向け医薬品ガイド・くすりのしおり
  • その他、厚生労働省が医薬品等の安全性について発表した資料

登録販売者試験でもPMDAホームページではどのような内容が掲載されているのか問われることがありますので、覚えておくようにしましょう。

これら紹介した安全性情報が発出される対象は医療用医薬品であることがほとんどですが、過去には一般用医薬品でイエローレターが発出されたこともあります(小柴胡湯による間質性肺炎)。医療従事者として、最新情報を常に把握できるようアンテナを張っておくことが必要です。また、登録販売者試験でも出題される部分ですので、厚生労働省のホームページなどから実際に発出された内容等も確認しておきましょう。

arrow_drop_up