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登録販売者ドタバタ劇場

「スイッチOTC」はお客様にとってどんな薬か?

近年セルフメディケーション税制がはじまったことによって、OTCへの関心もますます高まっていますよね。登録販売者である皆さんには「スイッチOTC」も馴染み深い言葉ですが、一般のお客様はスイッチOTCについてどう思っているのでしょうか。今回は2013年に発表された調査結果も参考にスイッチOTCについて考えてみましょう。

スイッチOTCの基本を確認

「スイッチOTC」とは、元々医療用医薬品としてのみ使われていた成分が、ドラッグストアや薬局でも購入できる市販薬(OTC)として販売されるようになった医薬品のことです。

つまり、今まで病院で診察を受けて処方してもらわなければ手に入れられなかった薬を、受診しなくても買えるようになったということ。

これらの薬は従来のOTCと比べて効果が高いものも多く、セルフメディケーション推進や国民医療費を抑えるためには欠かせない商品となっています。

スイッチOTCを使いたい理由は「病院より手軽だから」

スイッチOTCについて、2013年に一般のお客様がどう思っているかという調査結果が発表されています(参考文献:スイッチOTC医薬品に対する一般生活者の意識調査, 医療薬学2013, 39 (12) 726-732)。

この調査によると、回答のあった200人のうちスイッチOTCを元々知っていた人は56.5%に留まったものの、「体調不良のときにスイッチOTCを使用したいか」という問いに対しては74%もの人が「使用したい」と回答しています。さらにその理由としては、「病院より手軽だから」が性別や年齢に関わりなく最も多かったようです。やはり、受診にかかる時間や手間は体調不良の際には避けたいようですね。

反対に使用したくない理由としては、「OTCより病院を受診して治したい」や「副作用が心配」、「説明を聞くのが面倒」といったものがありました。これらの結果をみると自己判断による治療に不安があるお客様や、(何も考えず)指示された通りに薬を飲んで治したいというお客様がいるように考えられます。不安を持っているお客様に対しては、常日頃から的確なアドバイスをして薬局やドラッグストアへの信頼度を上げることで、OTCによる治療に安心感を持ってもらいましょう。

また、人任せになってしまっているお客様にも自分の健康は自分で管理するものだという感覚を持ってもらえれば、よりOTCを効果的に使ってもらうことができますよね。

普段から自分が慣れ親しんでいる言葉や物でも、一般のお客様がどう思っているかはなかなかわかりません。しかし、お客様の考えを理解することは良い接客に繋がります。少しずつで良いのでぜひ、時間を見つけて積極的に話を聞いたり、過去の調査結果を見てみたりしてくださいね。

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