登録販売者.com

ログイン 無料登録

登録販売者ドタバタ劇場

「なんとなく」見てないですか?添加物の役割と用途

医薬品に混合されるさまざまな添加物。添加物、と聞くだけであまり良いイメージを抱かない人もいますが、全ての添加物は意味があって混合されています。今回は添加物の役割と用途について考えてみましょう。

大きさや嵩を調節する賦形剤(ふけいざい)

錠剤の多くは直径8~10mm前後ですが、この内かなりの割合は賦形剤と呼ばれる添加物でできています。身体に必要な薬効成分自体は指先に少し付着する程度で十分(もちろん成分によります)ですが、薬効成分のみだと少なすぎて、少しこぼすだけでも身体に入る量が変わってしまいます。

そこで賦形剤を混ぜることで医薬品を飲みやすい大きさに調節し、1回量が常に一定になるようにしているのです。

代表的な賦形剤:
乳糖、白糖、マンニトール、トウモロコシデンプン、結晶セルロース

形を作りやすくする結合剤(けつごうざい)と滑沢剤(かったくざい)

例えば錠剤は打錠といって、元となる粉を型で押し固めて作ります。この作業をしやすくするのが結合剤や滑沢剤です。粉がサラサラすぎると固まりませんので結合剤を混ぜて粉同士をくっつきやすくします。

滑沢剤は粉を型に詰めやすくするために流動性を改善したり、粉が型にくっついてせっかく出来た錠剤の形が崩れるのを防いだりします。

代表的な結合剤:
結晶セルロース、カルメロース、ヒプロメロース、ポビドン
代表的な滑沢剤:
ステアリン酸マグネシウム、タルク、マクロゴール

狙った場所で溶けやすくする崩壊剤(ほうかいざい)

医薬品が効果を発揮するためには、薬効成分が溶け出して身体に吸収されなければなりません。この薬効成分の溶け出しを助けるのが崩壊剤です。身体の中に入ると、ちょうど良い場所で崩壊剤が錠剤の内側から膨らみ、バラバラに崩壊するように混ぜられています。

代表的な崩壊剤:
結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム

臭みも苦味も!コーティング剤

医薬品やサプリメントの成分の中にはとても臭いが強く、苦いものも多くあります。この臭いや苦味を感じさせない役割を果たすのがコーティング剤。その他湿気に弱い薬効成分を守る働きをするコーティング剤もあります。

代表的なコーティング剤:
ヒプロメロース、エチルセルロース、セラセフェート、メタクリル酸コポリマー
成分欄の枠外にひっそりと書かれることの多い添加物。時には嫌われ者として扱われてしまいますが、それぞれにきちんと役割があります。入っている理由を考えると医薬品の特徴を知るきっかけにもなりますので、品出しをしながらなど見てみてくださいね。

arrow_drop_up