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12歳未満の小児に禁忌になるコデイン類ってそもそもどんな薬?

厚生労働省は2019年までに、12歳未満の小児に対するコデイン類の使用を禁忌とすることを決めました。この「コデイン類」という薬はどんな薬で、なぜ小児への使用が制限されるのでしょうか?今回は、処方薬だけでなく市販薬としても非常によく用いられるコデイン類について考えてみましょう。

コデイン類はよく効く鎮咳薬

コデイン類は麻薬性鎮咳薬(ちんがいやく)、つまり咳止めとしてよく用いられます。咳のひどい風邪をひいたとき、リン酸コデインというとても苦くて白い粉薬を処方された記憶はありませんか? その薬が処方薬として用いられる代表的なコデイン類です。

脳の延髄にある咳中枢に作用するため麻薬性に分類されますが、決められた用法用量を守るかぎり依存性が現れることはありません。他にも鎮痛剤や下痢止めとして効果があり、現代の医療においても欠かせない医薬品です。

なぜ小児に禁忌になるの?

端的に言えば、呼吸抑制をおこす割合が12歳未満の小児に偏っているからです。呼吸抑制とは呼吸中枢がコデイン類によって抑制され、その名の通り十分な呼吸ができなくなる状態です。この副作用がおきると、息苦しさを感じたり、めまいがおきたりします。

これまで厚労省は、コデイン類が他の医薬品では代用しきれないほど有用、かつ安価であること、欧米人に比べてアジア人は副作用がおきにくいこと、死亡例は確認されていないことなどから小児へは慎重投与としていました。しかし、やはり患者の安全性を重視すべきだとして12歳未満の小児へは禁忌とすることになったのです。

ドラッグストアで気をつけるべきこと

コデイン類は現在販売されている市販薬だけでも、約600種の商品に含まれています。主に総合感冒薬や咽頭痛薬に、鎮咳薬として使われています。禁忌となる2019年までには製薬会社によってパッケージや添付文書が改訂される予定ですが、取り扱っている商品に含まれるかそうでないかは正確に把握しておきましょう。

また、コデイン類を含む商品を購入するお客様が使用者とは限りません。購入者が成人であっても、必ず12歳未満には禁忌であることを伝えましょう。とはいえ、コデイン類が有用な医薬品であることは間違いありませんので、必要以上に恐怖心を与えないよう配慮しなければなりません。

小児治療の選択肢としてコデイン類がなくなることは、大きな痛手と言えるでしょう。しかし、少なからず危険な副作用が発現することを考えると、今回の決定は子どもたちを守る英断。登録販売者もお客様の安全を守るために商品知識を高め、正しく説明できるように勉強し続けたいですね。

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