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薬を飲むための「温湯」とは何℃を指すか

昔から「薬は水か白湯(さゆ)で飲む」と言われますよね。白湯という言葉もあまり日常生活で頻繁には出てきませんが、それにも増して使わないのが温湯(おんとう)。一部の医薬品の添付文書や調整方法に書かれている程度ですが、急に質問されて面食らわないようきちんと理解しておきましょう。

「温湯」には決まった定義が存在する

「温湯」は文字の通り温かいお湯を指しますが、医薬品に関連して記載される場合、日本薬局方によって「60~70℃のお湯」と温度の範囲が規定されています。

日本薬局方とは医薬品の物性や試験方法などについて広く定義したものです。製薬会社もこの定義に基づいて医薬品とその添付文書を作成していますので、分かりにくい用語があればこの中から探してみるのも良いでしょう。

また温湯の他にも、10℃以下が冷水、30~40℃が微温湯、約100℃が熱湯として定義されています。お客様は具体的な数字での回答を望んでいる場合も多いため、そうした時にはこの日本薬局方はとても便利ですよ。

ちなみに水ではなくエタノールなど他の液体の温度を指す場合には溶媒という言葉を使い、熱溶媒、温溶媒などと呼びます。

内服薬は温湯の温度範囲で飲むべきか

現在一般に発売されている医薬品では「温湯で飲むこと」と定められている商品は少ないことに加えて、飲む水の温度によって効果が大きく変わってしまうこともほとんどないため、厳密にこだわる必要はないでしょう。

温湯の範囲は冷水や熱湯に比べて体に刺激が少なく、医薬品の効果も問題なく発現されやすいので、もしお客様が迷っているようであれば提案するといった流れで構いません。

とはいえ、溶かして飲む商品など一部の医薬品で、はっきりと温度の指定がある場合はきちんとその温度に従う必要があります。指定された温度以外で薬を使用することで、体に入った時、薬効成分の溶けだし方が変わり思わぬ副作用や事故が起こる可能性があるのです。

またタンパク質など成分によっては高温になると成分自体が壊れ、薬効が無くなってしまう場合もありますので、やはり指定がある時はその範囲を守るよう指導しましょう。

医薬品に関連する用語には普段からよく使うものとそうでないものがあります。ただ医薬品の使用者であれば「なんとなく」知っておくだけでも問題はありません。しかし登録販売者はお客様に医薬品をおすすめする立場なので、1語1語正確な意味を説明できるようにしておきましょう。

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