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登録販売者ドタバタ劇場

剤形の使用方法|肛門/肛門部にのみ使用すること

市販薬にもさまざまな剤形の医薬品がありますが、登録販売者としてはどの剤形の使用方法もひと通り説明できるようにしておく必要があります。誤ったアドバイスをしないためにも、添付文書の記載事項とその意味について考えておきましょう。

記載される意味と注意すべきこと

決められた投与方法を守らなければ期待通りの効果が得られないばかりではなく、副作用など望ましくないことも起こってしまう可能性があります。したがって、肛門または肛門部に使用するものとして販売されている商品はそれ以外の部位に使用してはいけません。

稀に肛門部に注入する軟膏を容器の形状から眼に使用する眼軟膏と考えてしまう方がいらっしゃるようですし、ずいぶん昔の話で真偽のほどは分かりませんが、「坐薬」を座って飲む薬と勘違いした方がいるという話もあります。市販薬はたいていお客様が必要に応じて自発的に購入しますので、興味や理解度も処方薬に比べて高くなる傾向にあります。

とはいえ、お客様の理解度や生活スタイルに合わせ、正しいアドバイスができるようにしましょう。

記載される商品と剤形

この注意事項は肛門や肛門部に使用する、グリセリン、ビサコジルなどを含む瀉下用の坐薬や外用痔疾患用の坐薬または液剤、軟膏剤、エアゾール剤などに記載されます。これらの商品は肛門や肛門部に使用することがひと目で分かるように工夫されていることも多いのですが、昔ながらの商品では分かりにくい場合もあります。

坐薬は保存方法もチェック

坐薬は肛門へ挿入した後、適切に薬効成分を放出する必要がありますので、体温で溶け出すよう設計されています。したがって高温になる場所に保管してはいけません。冷蔵庫に入れる必要があるなど具体的な保管方法や温度は、それぞれの添付文書に記載されていますが、初めてその商品を使用するお客様には保管方法も必ず確認するようアドバイスをすると良いでしょう。

また、坐薬が軟らかくなってしまった場合は包装ごと冷蔵庫などで冷やして硬くなるまで待ち、逆に硬すぎる場合は手の温度などで温めて軟らかくしてから使用してかまいません。使用しやすい硬さで使用するようアドバイスしましょう。

瀉下薬や痔疾患用の医薬品は高齢のお客様が購入する頻度も高い商品です。高齢になればどうしても認知能力は低下しますし、小さな文字の並んだ添付文書は読まなくなりますので、口頭でのアドバイスがより重要ですよね。誤った使い方をして事故が起きないよう正しい使い方を覚えてもらいましょう。

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