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登録販売者ドタバタ劇場

過度に使用すると、異常なまぶしさを感じたり、かえって充血を招くことがある

日々の仕事でパソコンを使用するお客様も多く、点眼薬について相談を受ける機会もよくありますよね。今回の注意書きも充血を治すための点眼薬に記載されているため、お客様が疑問に思うことがあるようです。きっちりと内容を把握しておきましょう。

記載される理由と回避方法

充血除去剤に分類される成分を用いるとアドレナリン受容体に作用して血管を収縮させます。この作用によって充血を抑制するのですが、繰り返し使用すると医薬品の効果が切れたとき元よりも血管が拡張してしまい、より充血がひどくなってしまいます。

成分によっては効果が切れたとき散瞳を引き起こすものもあるため、このような注意書きが記載されます。また、鼻づまりを改善するための点鼻薬にも血管収縮剤が添加され、同様の機序で副作用が起こるため過度に使用するとかえって鼻づまりがひどくなることがあります。

これらの副作用を回避するためには長期間・過度の使用をしないことが一番。医薬品を使用して充血が改善したとしても、それぞれの商品の用法用量を守り5~6日程度で使用を止めましょう。感染による結膜炎など他に明らかな原因がある場合はそちらを改善する必要がありますので、場合によっては受診するよう指導します。

職業の影響などで長期にわたって充血に悩んでいるお客様であればホットタオルなどのケア方法を指導する他、眼の細胞呼吸を活発にさせるためのビタミンB2などが配合された商品をおすすめしても良いかもしれません。

記載される場所

この注意書きは用法・用量の下にある「用法・用量に関する注意」の項目に記載されます。

記載される有効成分

エピネフリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸テトラヒドロゾリンなどを含む商品に記載されます。しかしエピネフリン等はあまり市販薬に含有されていませんので実際注意する必要がある成分は塩酸テトラヒドロゾリンでしょう。

余談ですがエピネフリンはアドレナリンと同じ成分を指しています。発見の歴史的背景からヨーロッパではアドレナリン、アメリカではエピネフリンと呼ばれることが多いようです。

視力は日常生活で非常に重要にも関わらず、お客様は内服薬に比べて目薬の副作用に対する関心が薄いように思われます。お客様自身がしっかりと管理することが一番大切なのですが、気付くまでには時間がかかるかもしれません。ぜひ登録販売者としてアドバイスをしてあげましょう。

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