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「水ぼうそうもしくはインフルエンザにかかっている又はその疑いのある乳・幼・小児(15歳未満)」は相談すること
記載される理由
水ぼうそうやインフルエンザのウイルスに感染した後、サリチル酸系の成分が含まれる医薬品を15歳未満の小児が使用することでライ症候群を引き起こす可能性が高まると考えられているからです。
ライ症候群は急性脳症や肝機能障害を引き起こし、死にも至る恐ろしい疾患です。症状としては水ぼうそうやインフルエンザによる発熱の後、約5~7日以内に長時間にわたって嘔吐し、意識障害や痙攣を起こします。
サリチル酸系の医薬品との因果関係や機序はいまだに明らかになっていませんが、1980年代にアメリカでこの問題について複数の調査報告がされ、日本でも安全のため記載されるようになりました。
【記載される場所】
この注意事項は「相談すること」の項目に記載されます。
記載される含有成分と薬効群
サリチルアミドまたはエテンザミドを含有する解熱鎮痛剤やかぜ薬に記載されます。これらの成分以外にもアスピリンやアスピリンアルミニウム、サザピリン、サリチル酸ナトリウムは同様にライ症候群を引き起こす可能性があるため、15歳未満の小児への使用は禁止されています。
その場合同じ注意事項は記載されず、別途「してはいけないこと」の項目に禁止事項として記載されます。
商品提案の際の注意
この注意事項は「相談すること」の項目に記載されますので、お客様から相談されることも少なくないかもしれません。その場合にはまず、お客様に使用者が誰かを確認することが重要です。
使用者が新生児や乳幼児の場合、保護者も特に注意をしているため、病院にかかるかあらかじめ薬剤師や登録販売者へ相談する割合が多くなるでしょう。
しかし、登録販売者としてより気をつけたいのが10~14歳の小学校高学年や中学生程度の小児です。この年齢になると家庭でも乳幼児の時ほど注意を払うことができず、大人と同じ対応をしてしまうことも少なくありません。
ですので、この注意書きがある商品を提案する場合には必ず、使用者の年齢や水ぼうそうやインフルエンザの可能性がないことを確認するようにしましょう。もし、未受診でこれらの感染の疑いが捨てきれない場合には、サリチル酸系の成分を含まない商品を提案します。
例としては小児用バファリンなどのアセトアミノフェン製剤が挙げられます。年間を通していつでも気をつけるべきですが、インフルエンザが流行する季節では特に注意して聞き取りをしてくださいね。
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