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「高齢者」は相談すること

医薬品を使用する前に「相談すること」とされている人は多くいますが、高齢者は小児や妊産婦などと並んでその頻度が高いですよね。なぜ高齢者は気をつけなければならないのでしょうか?その理由や、相談を受けたときにどういった点に注意したらよいかを考えてみましょう。

高齢者が気をつけるべき主な原因は代謝機能の低下

まず高齢者が医薬品を使用するにあたって、若年者と比べて気をつけなければならない大きな理由が代謝機能の衰えです。

加齢とともにさまざまな機能が低下してきますが、薬の代謝や排泄を担当している肝機能や腎機能は特に顕著に現れます。これらの機能が低下すると体から薬が抜けにくくなりますので、副作用が現れる可能性もグッと高まるのです。

また、内蔵機能の衰えは個人差が大きく、単純に年齢だけで判断できるものではありませんので、判断の難易度も上がります。

記載される薬効群とその理由

この注意書きは数多くの商品に記載されますが、主にグリチルリシン酸(甘草の主成分)やエフェドリン(マオウの主成分)を含む総合感冒薬や漢方薬、ロートエキスを含む胃腸薬、瀉下剤、解熱鎮痛剤、睡眠導入剤などが挙げられます。

グリチルリシン酸が過剰になると偽アルドステロン症候群があらわれたり、エフェドリンが過剰になると心悸高進・血圧の上昇があらわれたりします。

ロートエキスを含む医薬品では、口渇や便秘、排尿困難が起きる可能性があります。便秘や排尿困難は薬を使用する前から悩んでいる高齢者も多いため、さらに悪化させることのないよう商品の選択が必要でしょう。

瀉下剤は便秘に悩む高齢者が好んで使用しますが、瀉下効果により脱水症状を引き起こしてしまうことに特に注意が必要です。

解熱鎮痛剤、睡眠導入剤は効果が強くあらわれすぎて日中ボーっとするなどの可能性が指摘されています。

高齢者は特に併用薬やサプリに注意

高齢者の多くは何らかの疾患を抱え、薬物による治療を行っている可能性があります。「病気なし」を誇りとして健康な体づくりに励んでいる方もいますが、健康に関心があればあるほどサプリメントの使用が多い傾向がありますよね。サプリメントはあくまで食品ではありますが、この代謝にも肝臓や腎臓が関わっています。

したがって、病院から処方されている併用薬はもちろん、サプリメントを使用している方へ市販薬をおすすめするときは本当にその薬やサプリメントが必要なのか、一緒に使用しても問題ないのかを良く検討してください。

「高齢者」は相談すること、の注意書きは本当にたくさんの商品に記載されていますので、かえって見逃してしまいがち。しかし、やはり薬をおすすめする登録販売者としては常に気をつけるべきことです。お客様に相談をうけたら1件1件注意深く対応していきたいですね。

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