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軟膏とクリームを両方使用する場合の考え方
塗布薬を使用する際の用法・容量
塗布薬をどのくらい使えばいいのか患者さんに相談されたときに困った経験はありませんか?この章では塗布薬を使用する際の『用法・用量』についてお伝えしていきます。
単剤の場合
軟膏やクリームではFTU(フィンガーチップユニット)という単位をベースに使用量を考えます。具体的には大人の人差し指から第一関節まで軟膏を出した量が1FTUです。
1FTUで大人の手の平2つぶんの面積に使用することができる為、患部の面積を確認しつつ、適切な使用量をアドバイスするようにしましょう。
ただ、海外のものによってはチューブの口の広さが違ったり、ご高齢の方には1FTUの説明が伝わりづらいことがあります。
そのような時は『塗った後ティッシュを患部にくっつけて1〜2秒落ちない程度』と伝えるとわかりやすいのでおすすめです。クリーム剤でも軟膏であっても、1日のうち1回は入浴の後のタイミングがオススメです。
入浴の後は余計な皮脂が落ちているためしっかりと薬剤が皮膚から吸収されやすく、またその後汗を拭いて薬剤を同時に落としてしまう心配も減らすことができます。入浴後以外のタイミングで使用する場合も皮膚をしっかりと清潔にし、薬剤を塗布するようにします。
ウェットティッシュやフェイスシートを使用する方にはアドバイスすると親切かもしれません。
2剤を同時に使用するときの順序
基本的には塗る範囲が広い方から使用する。
2剤以上を使用する際には基本的に塗る範囲の広い保湿剤、クリーム剤から使用するようにアドバイスしましょう。
例えばステロイド軟膏と保湿クリームを併用するときは、塗る範囲の広い保湿クリームから使用し、保湿をした後にポイントで使用するステロイドを軟膏を使用するようにアドバイスするのが一般的です。
ステロイド軟膏をを使用したあとにクリーム剤を使用すると、後から使用するクリームによってステロイド軟膏が塗り広げられてしまうのです。
塗布薬のステロイドは過剰に使用しすぎなければ副作用を過剰に心配することはありませんが、やはり油断は禁物。皮膚萎縮などの副作用のリスクをできる限り抑えるためにも、このルールをまずは抑えておきましょう。
ステロイドに限らず、2剤以上の塗布薬を使用する場合の原則は『広い範囲に使用する薬剤』→『狭い範囲にポイントで使用する薬剤』です。
2剤を塗布する順序の例外
上でご説明した『原則』にも例外はあります。
例えば、白色ワセリンなどの保湿用軟膏と、非ステロイド性抗炎症剤のクリームを同時に使用する場合。
この場合は、非ステロイド剤の副作用が比較的軽度なこと、またクリームが水溶性を持つ基剤であり、脂溶性である軟膏のあとに使用するとクリームの吸収率が下がる可能性があります。
こういった場合は、ポイントで使用するクリームを先に使用し、あとから白色ワセリンを使用することもあります。
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