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登録販売者試験にも出題された、目薬の正しい使い方とは?

「目薬の差し方? 簡単ですよそんなの」と思われる方は沢山いらっしゃると思います。しかし、いざ登録販売者試験で目薬に関して聞かれた際にどれが答えか分からなくなってしまうかもしれません。また、ドラッグストア等で働いている際にお客様から説明を求められた際に「ただ目に点眼するだけですよ」だけでは登録販売者としてまだまだ勉強が足りていないと言われてしまうのではないでしょうか。目薬の使い方は登録販売者試験の過去問に出題されており、一度確認しておいて損はないでしょう。今回は、登録販売者試験の過去問から1問出題し、その問題に解説をする形で目薬について勉強していきましょう。是非最後まで読んで、目薬の使い方や注意点をマスターしてしまいましょう。

登録販売者試験 過去問 (平成30年 京都府 午前)

問47 眼科用薬に関する記述の正誤について、正しいものはどれか。
  • ソフトコンタクトレンズをしたままで点眼をする場合には、防腐剤が配合されている製品を選ぶべきである。
  • 点眼後は、数秒間、眼瞼(まぶた)を閉じるが、その際、薬液が鼻腔内へ流れ込むのを防ぐため、目頭を押さえると効果的とされる。
  • 一般的に、点眼薬の1滴の薬液量は、結膜嚢の容積より少ない。
  • 点眼薬は、その使用が原因となり、全身性の副作用として、皮膚に発疹、発赤、痒み等が現れることがある。

(ヒント 1、 正 正 誤 誤  2、 正 誤 正 誤  3、 誤 正 正 正  4、 正 誤 誤 正  5、 誤 正 誤 正)

http://www.pref.kyoto.jp/yakumu/documents/h30mondaigozen.pdf より一部改変して抜粋

a ソフトコンタクトレンズをしたままで点眼をする場合には、防腐剤が配合されている製品を選ぶべきである。

→防腐剤とはその名の通り、細菌等の増殖を抑制して目薬の腐敗を防止するものです。有名な「塩化ベンザルコニウム」はソフトコンタクトレンズをしていると、目の角膜と塩化ベンザルコニウムの接触時間が長くなり(通常はまばたきで洗い流されるが、ソフトコンタクトレンズをしていると防腐剤がレンズに吸着してしまう)、角膜にダメージを与えてしまうことがあります。
さらに、防腐剤によってソフトコンタクトレンズが変色・変形する可能性もあるため、防腐剤フリーの目薬を選びましょう。よって、この解答は 誤 です

「ソフト」と強調しましたが、酸素透過性ハードコンタクトレンズは同じように防腐剤入りの目薬を避けるべきであり、一方で通常のハードコンタクトレンズでは防腐剤入りの目薬をさしても問題ないと言われています。

ややこしいですが、不安な場合は防腐剤フリーを選べばよいでしょう。

b 点眼後は、数秒間、眼瞼(まぶた)を閉じるが、その際、薬液が鼻腔内へ流れ込むのを防ぐため、目頭を押さえると効果的とされる。

記述の通りです。「目頭を押さえないほうが効果的」と出題されている問題もあるので、焦らずしっかり問題文を読んでから回答しましょう。

目薬によっては鼻腔内から喉まで下りてきて苦い味がするものもあるので、そのようなことを経験したようなお客様には徹底してもらうようにすると良いでしょう。

c 一般的に、点眼薬の1滴の薬液量は、結膜嚢の容積より少ない。

→慶応義塾大学病院のウェブサイトによると「通常の点眼瓶からの1滴の容量は、普通では約40~50μL(0.04~0.05mL)ですが、そのうち結膜嚢に入るのは約20μL(0.02ml)です。」と書いてあります。

すなわち、何滴も点眼したからといって効果が上がることはなく「もったいない!!」と言えますね(商品によっては2滴~3滴と書いてある物もありますが)。よって、この解答は 誤 ですね

また、溢れた液で皮膚がかぶれることもありますので、あふれた液はテッシュ等で拭きとりましょう。当たり前で問題には恐らく出ませんが、点眼前には手を洗うようにしましょう(大切です)。

d 点眼薬は、その使用が原因となり、全身性の副作用として、皮膚に発疹、発赤、痒み等が現れることがある。

→実は、全身の副作用もあり得ます。たかが目薬、されど目薬です。問題文bと繋がってくるのですが、全身の副作用を予防する為に目頭を押さえることが効果的です。

また、そのような症状が現れた場合にはすぐに目薬を中止し、医師を受診してもらうようにしましょう。
よってこの解答は 正 です。

今回は登録販売者試験の過去問から目薬の使い方や注意点に関する問題を1問出題し、その問題に解説をする形で目薬について勉強してきました。登録販売者試験に出題され得るポイントもなんとなく理解できたのではないでしょうか。また、ドラッグストア等で勤務しているイメージをしながら問題を解いてくれた人はもう完璧かもしれませんが、お客様から「何滴点眼すれば良いか」や「良い目薬を選んでほしい」、「点眼したら目をすぐ開けてよいか」等の質問を頂いた際の解答方法が分かったのではないかと思います。今回の過去問だけでなく、様々な形で目薬の問題は出題されています。この機会に目薬の問題は完璧にしてしまいましょう。

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