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登録販売者、採用の現場から

登録販売者も知っておこう、副作用等の報告義務とは?

ドラッグストアやその他の店舗で勤務していて、副作用がありましたと患者さんから報告を受けたことはあるでしょうか。または、自分が一般用医薬品を使用した際に副作用を経験したことはあるでしょうか。どの医薬品にもリスクは付き物ですが、その副作用の発生には報告義務があることを知っていましたか。さらに、報告義務がある人は法的決まっていることもご存知でしたでしょうか。もしこの「報告義務を持っている者」に登録販売者も含まれているのだとしたら、それはもう他人ごとではないですね。今回は、登録販売者試験で合格する為だけではなく、将来的にこの知識をドラッグストア等で勤務する際に役立てることが目的です。副作用等の報告義務に関する問題を実際の登録販売者試験の過去問からピックアップし、その問題を解説していきます。是非一度問題を解いて自分の実力を確かめてから、解説までお読み頂ければと思います。それでは早速問題を解いていきましょう。

登録販売者試験の過去問(平成30年 京都府 午後)

問106医薬品医療機器等法第68条の10第2項の規定により、医薬品の副作用等の報告義務がある者について、誤っているものはどれか。すべて選べ。(答えは1つの可能性もあり)

1 薬局開設者  2 登録販売者  3 診療所の開設者  4 獣医師  5 購入者

https://www.pref.kyoto.jp/yakumu/documents/h30mondaigogo.pdfより一部改変して抜粋

解説

実は今回、「すべて選べ。(答えは1つの可能性もあり)」という文書を過去問に追加してみました。この文字があるだけで、問題が一気に難しくなりますよね。それでは今一度問題文を読みましょう。

まず、PMDAのウェブサイトで情報を確認しましょう。

「すべての医療機関及び薬局等を対象とし、薬局開設者、病院若しくは診療所の開設者又は医師、歯科医師、薬剤師、登録販売者その他病院等において医療に携わる者のうち業務上医薬品、医療機器又は再生医療等製品を取り扱う方が報告者になります。

対象となるのは、医薬品、医療機器又は再生医療等製品の使用による副作用、感染症又は不具合の発生(医療機器及び再生医療等製品の場合は、健康被害が発生するおそれのある不具合も含む。)について、保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止する観点から報告の必要があると判断した情報(症例)
医薬部外品及び化粧品についても、健康被害等の情報を知った場合には、化粧品・医薬部外品安全性情報報告書により報告をお願いします。」

https://www.pmda.go.jp/safety/reports/hcp/pmd-act/0003.htmlより一部改変して抜粋

色々と責任がある者が羅列されていますが、試験問題を解くうえで一番最初の文章が最も大切です。「すべての医療機関及び薬局等を対象」というところですね。これさえ理解すれば問題は解けます。
報告の対象は、化粧品から医薬品までです。人体にある程度の作用を期待するものですね。

問106医薬品医療機器等法第68条の10第2項の規定により、医薬品の副作用等の報告義務がある者について、誤っているものはどれか。
1 薬局開設者 → 〇

たしかに、薬局は医療従事者の資格がなくとも開設できますので迷うかもしれません。そして実際に報告を行うのはその薬局で働いている医療従事者でしょう。

しかし、「すべての医療機関及び薬局等を対象」という文章を思い出してください。薬局で医療の提供に関連している人間であれば基本は義務があります。

2 登録販売者 → 〇

これが正解ということは、もう報告の義務から逃げられませんね。もし、患者さんから副作用の報告を受けた際には報告義務が生じます。

ただし、もしメモを取る際などには個人情報に気を付けましょう。真面目に情報を残そうと個人が特定できるような情報まで記録に残してしまうと、管理が大変です。もし店内周知の為に特定する必要がある場合には十分な注意を払って個人情報を扱ってください。

3 診療所の開設者 → 〇

これはすぐにわかると思いますので、省略します。

4 獣医師 → 〇

これはすぐにわかると思いますので、省略します。

5 購入者 → ×

意外かもしれません。たしかに、副作用が生じて、それを医療従事者に報告するところからすべてが始まりますが、購入者に義務はありません。「医薬品の安全性を確保するために副作用がでたら必ず教えてください!!」とは言えませので、気を付けましょう。

いかがでしたでしょうか。今回は副作用等の報告義務に関する問題を実際の登録販売者試験の過去問からピックアップし、その問題を解説しました。今回は少し問題文を編集し、いじわるな問題にしてしまいましたが、登録販売者試験も今後このような形式が導入されてしまうかもしれません。しっかりと定着した知識にしていきましょう。ポイントとしては、業務に関する想像をしながら(ドラッグストア等で働くことを意識しながら)、登録販売者試験の勉強を行うことでより効果的な勉強になります。今回も副作用報告をするシーンを思い浮かべずにここまで読んでしまった方は、実際に自分が働いていることを想像しながら、今一度解説を読んでみてください。現場でも使える知識にしていきましょう。

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