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登録販売者も理解しておくべき、排卵日検査薬と妊婦検査薬の違い
排卵日検査薬と妊娠検査薬の販売について
医薬品の規制分類は?
排卵日検査薬に関しては、今現在は第一類医薬品として取り扱われています。勘が良い方は「じゃあ関係ないね」と考える登録販売者の方もいらっしゃるでしょう。
ですが、近年薬局業界は目まぐるしく変化を遂げていますので、いつ第二類になってもおかしくはないと思います。また、仕事以外でも自分の為に理解しておいて損はないと思いますので、今回しっかりと勉強しましょう。
妊婦検査薬は、薬局医薬品(調剤薬局で取り扱っている医薬品)と第二類のものが存在しています。つまり、少なくとも妊娠検査薬に関しては登録販売者も詳しく知っていないとまずいですね。
排卵日検査薬のしくみとは?
排卵日検査薬は排卵日予想検査薬とも言われることもあるように、現代の技術を使っても「予想」しかできないのが事実です。
まず排卵日の予想で注目すべきは黄体形成ホルモン(LH)と卵胞刺激ホルモン(FSH)、FSHとLHが共同して合成するエストロゲンです。
排卵周期に近づくとまずFSHのレベルが少し上昇し、そのあとエストロゲンのレベルが高まります。その後、エストロゲンレベルが高まるとLHの量が急激に上昇(LHサージ)し、その後約40時間以内に排卵する可能性が高いと言われています。排卵日検査薬はこのLHサージを感知します。
排卵日検査薬はいつ使用する?
一般的には次の生理開始予定日の17日前から検査を開始します。
月経周期が不規則な方一番短かった周期(最近の2-3周期で)を目安に検査開始予定日を決めましょう。
妊娠検査薬のしくみとは?
受精した後に受精卵が着床すると、胎盤の中でヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)というホルモンがつくられます。
このホルモンは黄体からプロゲステロンを分泌させて妊娠状態を保つ重要なホルモンであり、妊娠4週目あたりから尿中に検出されるようになります。
妊娠検査薬は尿中のヒト絨毛性性腺刺激ホルモンを検出するわけですが、検査薬が正しく検出するほどの量が分泌されるのは妊娠5週目以降と言われています。
ただし、注意したいのは検査が陽性になったとしても妊娠確定ではないということ。陽性を確認したら必ず産婦人科を受診しましょう。
妊娠検査薬はいつ使用する?
上記で記述したように妊娠5週目以降(妊娠週数は前回の月経開始日を妊娠0週0日として計算しましょう)が検査のタイミングと言えます。
検査が早すぎてもヒト絨毛性性腺刺激ホルモンの量が少なくしっかりと検出できません。また、逆にこのホルモンが多すぎても正確に判定できないことがあります。特に分泌量は妊娠10週目ごろにピークに達するため、この付近では正確に判定できない可能性があります。
妊娠検査薬が偽陽性になることはある?
実は、検査は偽陽性になることもあります。
- 尿中に高濃度のタンパク、あるいは糖が含まれている場合
- 不妊治療の一環でヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)を注射している場合
- 卵巣がんや子宮頸がん、肺がんなどhCG産生腫瘍を患っている場合
- 流産になってしまった場合
糖尿病や腎臓病、膀胱炎等、なんらかの原因で尿中にタンパクや糖が高濃度に含まれると検査薬が正常に反応せずに偽陽性になることがあります。
前述したように妊娠検査薬はヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)を検出します。その為、そのホルモンを注射している場合は偽陽性になる可能性があります。不妊治療をしている場合はかかりつけの先生とよく話し合うようにしてください。
上記のような癌はhCGの分泌量が増えることが知られていますので、偽陽性になってしまう可能性があります。
受精卵が着床したにも関わらず、赤ちゃんが成長できずに流産してしまった場合も一定期間は体内にヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)が残ってます。よって、陽性が検出されたとしても必ず産婦人科を受診するようにしましょう。
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